そとの




「…取り調べ係を変えよう。
若い者には刺激が強すぎる」




「ですが近藤先生。他に適任がいません」




「私が行くよ。
この中では一番歳をとっているからね」




しわくちゃの男の顔が、
困ったように微笑む。

その微笑みに、男を取り巻く白衣の若者たちは
ぐっと顔をしかめて申し訳なさそうにそろって俯く。

それもそうだ。



この近藤という男は、現役を退いた存在であり
本来ならばこのように直接指導を受ける事すら
若者たちからすれば
とてつもなく恐れ多い事だった。



ましてや自分達が担当している仕事を
任せようだなんてとんでもない事態で。



若者たちは自分の無力さに
歯を噛み締めていた。


しかし今回ばかりは、
あまりに大きな案件すぎて若者たちでは判断に
行き詰っていたのが事実。


男の申し出に、安堵の表情を
浮かべる若者もいた。


「さぁ、君たちは部屋の様子を見張っておきなさい。
島の守り神はなにをするかわからないからね」


男がそういうと、
若者たちは各々に仕事を始めた。


それを確認すると男は、
顔をしかめて顎を撫でる。


視線の先には、大きな天付モニター。
その中には黒髪の青年が
椅子に座っている様子が映っていた。



「(咲良叔母さんの昔の話からして、
そんな方には見えないけれども。
人も神も何にでも化けるからな…)」



男はその場をあとにした。
向かうはモニターの向こう側。




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