Chapter8 〜修練〜

やちるの後、桃と七緒にも気が済むまで付き合った玲は、とんと地面に降り立って、翼を霧散させた。
「玲ちゃん、また飛ばせてね!」
無邪気に飛びついて来るやちるに
「今度は外で飛ぼっか」
そんな約束を交わして。
「もう良いよなぁ?」
やちるが離れた瞬間、斬りかかって来た更木を霊子の刀で止める。
「またそれか!てめぇ、いつになったら自分の斬魄刀出すんだ?」
「これを砕ける程の技量が貴方に備われば、かな」
くすと笑って斬撃を去なす玲に、焦りは微塵も感じられない。
「あ〜創造体じゃなくても斬魄刀出してくれないんだねぇ」
以前の戦闘を思い出して、肩を落とす京楽。
その言葉で、一度も彼女が斬魄刀を振るう姿を見ていない事に皆が気付いた。
「創造の斬魄刀、か」
「どんな姿なのでしょうね」
浮竹と卯ノ花が呟き、その場が好奇心に揺れる。
その間にも、玲は霊子の刀で更木の斬撃を往なし続ける。
玲は元より更木も未だ無傷。
それが、彼女に戦闘意思が無いことを物語っていて。
「出させてみるか?」
「戦う気かよ」
僅かに闘気を纏う白哉に冬獅郎が突っ込むも。
玲がそれに気付いて、くすと笑った。
「なら、今日は修行じゃなくてゲームする?私に斬魄刀を出させれば貴方達の勝ち。全員の戦意を奪えば私の勝ちで」
玲の提示したゲーム内容は、毎度の事ながら無茶苦茶だった。
此処にいる全員と、同時に戦うというのだから。
「いや、玲ちゃん。前は鬼事だったけど、今回は違うでしょう」
「それで君が勝てる見込みはあるのか?」
京楽と浮竹が止めようとするも、玲はくすと笑みを浮かべた。
「逆だよ?今の貴方達じゃ、全員で連携して掛かってこなきゃ、私に斬魄刀を呼ばせる事も出来ないって言ってるの」
するりと更木の斬撃を交わして、徐に玲が反撃に出た。
それは隊長格の彼等でさえ、その姿がぶれたとぎりぎり認識出来る程の速度で。
次にその姿を確認出来た時、更木は幾つもの裂傷を負って、前のめりに倒れ込んでいた。
「剣ちゃん!」
やちるが駆け寄るも、更木は既に意識を失っていて。
彼をふわりと虹色の光が覆う。
「さて、どうする?やってみる?」
あっという間に傷を回復させながら、玲が首を傾げる。
他の隊長格達が躊躇う中。
「朽木。見えたか?」
「無論だ」
霊圧が極端に上がり、それを確実に御し切った二人は、追えた様だった。
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