Chapter8 〜修練〜

「そう言えば冬獅郎と白哉。転換率、幾つになったの?」
「83」
「86だ」
転換率は冬獅郎の方が上らしい。
素直に答える彼等にふわりと笑って。
「あら、流石ね。二日と半分サボってたのに」
くすくすと笑う玲に、躊躇いつつも斬魄刀に手をかける。
彼女が此処でこんな事を提案するのは、恐らく意味が有るのだろうと踏んで。
「そうだよ。幾ら霊圧が上がって制御出来たって、自分達で把握出来てなきゃ扱えない。すぐに鬼道の練習を始めたけれど、貴方達はまだ、疲れ難くなったってぐらいしか実感していないでしょう?」
玲が空に手を翳すと、キィンと空間が揺らいだ。
霊子結合が強固になり、そこを結界が覆い、固定する。
「だから。力試しだよ。外でやるとお爺ちゃんに怒られちゃうもの」
その言葉で、彼等の迷いは消えた。
他の隊長格達も斬魄刀に手を掛ける。
「玲ちゃん。剣ちゃんは?」
やちるの言葉で思い出し、峰打ちで昏倒させた彼の意識を賦活させた。
その後瞬時に離れた玲を追う様に、桜の刃が煌めく。
その圧倒的な奔流は、収束し爆散した風に散らされた。
「やれやれ。七緒ちゃん、捕捉できるかい?」
既に縛道の詠唱を終え、玲を捉えようと手を翳していた七緒が首を振る。
「…無理ですね」
速力があり過ぎる。
最初に風で弾いた以外は、全て瞬歩で避け続けている玲を鬼道で捉えられるはずも無い。
そのスピードはもしかしなくとも、かの死神代行の卍解時より速いのだから。
「日番谷」
「分かってる」
氷輪丸を抜いた冬獅郎が霊圧を上げた。
以前の様に恐怖を感じるほどでは無いが、圧で動きが鈍く感じる程に。
それに乗じて、他の隊長、副官達も霊圧を上げる。
そうしなければ、動けないからだ。
「卍解。大紅蓮氷輪丸」
冬獅郎の身体を氷の龍が覆う。
翼を型作り、尾を打ち鳴らして。
けれど、以前まであった氷の華は、その姿を消していた。
時間制限のあった彼の卍解は、魂魄補強の影響か、霊圧上昇の影響か。
完全な姿となっていた。
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