Chapter8 〜修練〜

氷の翼を羽ばたかせて飛翔した冬獅郎を見て、玲は霊子の刀に炎を纏わせた。
眩しいほどの、白い炎を。
そんな彼女に、刀を振り下ろす。
水と氷の龍が切っ先から現れ、玲を飲み込まんと口を開く。
が、白い炎を纏った霊子の刀が薙がれると、真っ二つに分かれて蒸発し、消えた。
「冬獅郎。操れるのはまだ一頭だけ?」
「…後悔すんなよ?」
くすりと笑う玲に向けて、三頭の龍が襲い掛かる。
それすら片手で払ってみせる彼女に、やはり一対一では無理と悟った白哉が、千本桜を地に落とした。
「卍解。千本桜景厳」
桜の刀が現れる。
刃の奔流が、先とは比べものにならない程圧倒的な質量を持って、少女を襲う。
玲は其れを、刀を持っていない手で風の盾を作って弾き切った。
「連携なさいって言ってるでしょ?」
ふと溜息を漏らした玲が、背に光翼を顕現させる。
それを羽ばたかせると、金の羽が恐ろしい速度で、白哉と周囲の隊長達を襲った。
「っく、あの翼、攻撃も…」
「物見を決め込んでいるからだ」
桜の壁で羽を弾いた白哉が、京楽や浮竹を睨む。
「はは。お気遣いどうも」
守られた京楽は、空笑を浮かべて、斬魄刀を解放した。
浮竹も既に解放状態で、冬獅郎の攻撃を笑いながら避けている玲の隙を窺っている。
「しゃらくせぇ!」
吼えた更木が飛び上がり、玲に斬りかかるも。
ひらりと躱されて、また壁を蹴った。
瞬間、冬獅郎と白哉が氷輪丸と千本桜を振るう。
氷の龍と桜の刃が同時に襲い掛かって、玲を覆った。
風と炎を纏って其処から逃れた彼女の肌は、僅かに切れて、死覇装の袖が凍っていた。
兆候は見えた。
僅かだが。
しかし、狛村が卍解し、黒縄天譴明王を顕現させると、玲が纏う空気が変わった。
「天照。顕現せずに扱える力、解放して」
その言葉と同時に。
虹色の渦が玲を包む。
氷輪丸の龍も、千本桜の刃も、斬りかかる更木も叩き落として。
「そんな攻撃じゃ届かないよ?」
挑発するように笑う玲の傷は、既に癒えていた。
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