Chapter12 〜葛藤〜






「おい!氷輪丸!理由も無しに戦わせるな!」


剣撃の間に怒号が飛ぶ。

冬獅郎の表情に、氷輪丸が無表情で首を傾げる。


「可笑しな事を言うな、主。
魂を得た我は従う事ばかりが使命では無い。
我に真に認めさせなければ我は従わぬ」


「成る程、な!」


刀を弾いて氷を纏う。

それは卍解でも、ましてや始解ですらない、常時解放だけの力。

相手は始解も卍解も扱える。

それだけで太刀打ち出来るなどと思っては居ない。

しかし、玲に教わった霊子集束装置を駆使し、転換率と集束率を限界まで上げて鬼道を交えれば、戦えぬ事も無かった。

斬魄刀は鬼道を扱えないからだ。

真面目にやっといて良かったと思っているのは、冬獅郎だけでは無かった。



「…よもや自らの力を、相手にする事になろうとはな」


「千の刃で億の刃に歯向かう事の愚かさを知って尚向かって来るか」


「笑止」


手掌で刃を操りながら、もう片方で鬼道を放つ。

その力は、一つで卍解状態の千本桜を吹き飛ばす。

しかし、きりがない事も確かだった。

斬魄刀である彼等に、疲労は無いらしい。

当然だ。

そもそも彼等が扱っているのは自身の霊力では無い。

主人である自分達の霊力だ。

長引く程に疲労して行くのは、白哉と冬獅郎の方なのだから。


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