Chapter13 〜神威〜

十番隊の隊主室を後にした玲は、世界の歪みに目を閉じた。
虚圏から、現世へ進行する大きな霊圧。
これは恐らく、十刃。
瞬間、玲は地獄蝶を総隊長へと飛ばし、穿界門を通って現世へ駆けた。
争いが始まる確信を、胸に。
玲が現地に着いたのは、黒腔が開き破面達が地に降り立った直後だった。
何かの遠征中だったのか、森の近くにも関わらず、多くの人が破面が降りた其処へ興味本位に近付いていく。
玲はその落下地点の周りに結界を張り、中心の破面の前へと降り立った。
二人の破面が驚いた様に目を見開く。
斬魄刀を抜くでもなく、敵意を見せるでもなく。
只遊びにでも来たかの様に、其処に現れた、死覇装を纏った麗人に。
「なんだ?てめぇ。死神か?」
不良の様に眉間に皺を寄せて、突っかかってくる浅葱色の髪と瞳を持つ男。
彼はどうやら短気そうだ。
「そうね、今の役職としてはそうなるかしら」
さらりと答えると、エメラルドの様な翠の瞳を持つ男が、怪訝そうに玲を見遣る。
「ならば俺たちはお前の敵だろう。今のお前からは何も感じないが」
「うん。戦いに来たんじゃ無いからね」
ふわりと笑いながら、玲は神力の封を解く。
瞬間、二人の破面は、驚愕に目を見開いて膝を着いた。
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