Chapter13 〜神威〜

ウルキオラは玲に手渡されたブレスレットを見つめていた。
刀を抜こうという気も起きなかった。
刃向かおうとすら、思えなかった。
只、一つ分かるのは。
今まで従っていた王が只の人間で。
彼女こそが神であると言う確信。
虚無である筈の自分にすらも、畏怖を与え、心酔させ、言葉一つで従わせる圧倒的な存在でありながら。
その内に儚さを秘めて酷く心を掻き立てさせる、美し過ぎる少女。
「グリムジョー」
「んだよ」
「…報告の際、お前は喋るな」
破壊を司るこの浅葱の男は、感情に流されやすい。
藍染は今の自分達よりもずっと強い上に鋭い。
寝返ったと知れれば、今は即座に手を打たれてしまう。
彼女に与えられた力を御し切れる様になるまで。
否、彼女が良いと言うまでは、かの王を欺き続けなくてはならない。
その上で、その願いに応えよう。
ウルキオラは霊圧封印と通信の役割を持つブレスレットを腕に通した。
それは服従すると誓ったと同義。
彼女の結界が解かれ、霊圧に反応してやって来る、一人の子供の気配を感じて。
ウルキオラは着地点から離れる。
藍染の指示はこの子供の様子を見て、危険と判断すれば殺す事。
しかし、彼女の指示は、力の差を見せ付けて、殺さずに見逃す事。
どちらの指示を聞くかなど、最早知れている。
「グリムジョー、殺すなよ」
「わぁってるよ、煩ぇな」
周囲に居た人間達はいつの間にか玲が避難させたらしく、周りに”塵”は居なかった。
二人の破面は、玲が引き揚げた霊圧の九割を封印して、黒崎一護と対峙した。
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