Chapter13 〜神威〜

夜の現世に降り立った私達は取り敢えず一護の家へ向かった。
全員で。
「な…何しに来たんだよ、てめぇら!」
「ん?説明と、治療」
檜佐木の後ろから顔を出して、にっこりと告げると、一護は更に後退さる。
「うおぁ?!玲さん!」
「おい、一護。何故玲には敬称をつけるのだ」
少し不満に思ったルキアが眉を寄せる。
そこに乱菊が覆い被さって妖艶に笑う。
「あら、私にも付けるわよねぇ?一護」
「乱菊さんもかよ…」
項垂れている一護のズタボロの傷を癒しながら、耳元で囁く。
「決心が、つかない?」
「なんで…」
「君、分かりやすいもん」
くすりと笑うと、一護の顔が真っ赤に染まる。
瞬間、冬獅郎の蹴りが一護に炸裂した。
「調子に乗ってんな、黒崎」
「痛えな冬獅郎!お前もかよ!」
「日番谷隊長だ!」
そのやり取りの中、そっと一護に近付いた檜佐木が、彼に耳打ちする。
「お前、玲には惚れるなよ。死ぬぞ」
「…おぅ、何となく…分かってる…」
頷く一護の胸倉を、ルキアが掴む。
「何だ一護。その腑抜けた顔は」
「…煩ぇよ…」
はぁと溜息を吐き出す一護に、阿散井が破面の説明を始める。
「おい、聞いてんのか」
「あぁ、聞いてるよ」
だが、ルキアのスケッチブックによる妙ちきりんな絵の所為で、如何にも緊張感が霧散する。
けれど、だらだらと会話している暇は無い。
向こう側の黒腔が開いた事に気付いたのは私だけだろう。
数は六。
その内一人は十刃だろう。
多分、ここに居る死神達は、十刃と呼ばれる存在は知らないはず。
「正確には、大虚には三種類いる。お前が昔戦ったデカイだけの愚鈍な大虚はギリアン。彼奴らは増兵だ」
冬獅郎の説明に、一護が目を見開く。
「彼奴が、増兵…だと?!」
「あぁ。その上にアジューカス級、ヴァストローデ級と階級がある。最上大虚。此奴等の実力は正直に言えば前の隊長格よりも上だ」
「前のって?」
きょとんと首を傾げる一護を無視し、補足する。
「因みにそのヴァストローデ級を破面化させた集団上位十名は十刃って呼ばれてる。それと、時間切れかな。もうすぐ来るよ、冬獅郎」
「玲!そういう事は早く言え!つーかその情報何処で手に入れた!」
「今日情報取得したの!早く行くよ!」
窓から飛び出し、死神化すると、他の死神達も後に続く。
一護だけは状況を飲み込めない様で、もたもたしているのをルキアに一喝されていた。
「玲!もう直ぐ来るってどういう…」
檜佐木の言葉を遮る様に、重い霊圧が辺りに満ちる。
「まだ一箇所に集まってるね」
「囲むぞ」
「「「はい!!」」」
散開して、瞬歩で駆ける。
けれど、囲む前に、破面達が別れて向かって来た。
此方は五人、向こうは六体。
どうしても一人、止められない。
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