Chapter13 〜神威〜

玲が、倒したか。
彼奴は情報収集する必要ねぇからな。
わざわざ戦いを長引かせる必要が無い。
まぁ、俺も、後で聞けば良い話か。
剣撃だけであしらっていた相手を見据え、刀に冷気を集める。
「おや、やっとその気になりましたか」
やれやれと首を振る、余裕綽々な破面を冷たく睨む。
「あぁ、てめぇから情報を引き出すつもりだったが…此処で長引くと被害が悪戯に増えるだけだからな」
「それは、その気になれば私など一瞬で倒せると言っている様に聞こえますね」
「そう言ってんだよ」
破面が不快そうに顔を歪める。
此奴等にも感情は有るんだな。
まぁ、今は関係ねぇ。
転換率と集束率をコントロールして、氷輪丸の攻撃力を上げる。
「蒼天に座せ”氷輪丸”」
始解され、氷の龍から放たれる冷気に、破面は漸く慌てた様に刀を抜く。
「截て”五鋏蟲”」
一応相手の解放は待ってやる。
何の力も出さねぇで殺られるのは無念だろうからな。
けど、容赦はしねぇ。
姿が変わった破面に刀を振り下ろす。
氷の龍に飲み込まれ、成す術もなく爆散した破面を見遣り、刀を納めた。
松本、檜佐木、阿散井も…もうすぐ終わるか。
それを感じ取って、目を閉じる。
敵と戦うとよく分かる。
玲の特訓がどれ程効果的で、どれ程俺達が強くなったのか。
以前なら限定解除しねぇまま、倒せる敵ではなかった。
限定率は八割。
いつの間にか、二割の力でも、あの霊圧の敵と渡り合えるほどの力が付いていたのだ。
「唸れ”灰猫”!」
「刈れ”風死”」
「咆えろ”蛇尾丸”!」
それぞれ帰刃した破面に、副官達の始解がとどめを刺す。
そこに苦戦する様子は殆ど無く。
奴らも強くなったんだなと感慨に耽ってしまった。
「一護、苦戦してるね。今の状態じゃしょうがないけど」
霊圧を探りながら呟く玲を見遣る。
「…確か虚化、だったか」
俺の言葉に、玲はこくりと頷いた。
「そう。それはきちんと制御出来なきゃ、彼を飲み込んでしまう。それを彼は恐れて、力が出し切れない」
「…なら、助けに行った方が良いんじゃねぇのか?」
動く様子の無い玲に疑問を投げると少し考えて、檜佐木を見遣った。
「そうだねぇ…。修兵!言って来てくれる?」
「何で俺なんだよ…」
「さっき、黒腔が開いた。多分東仙に会えるよ?」
「行ってくる」
一瞬で消えた檜佐木に溜息を零す。
「おい、玲」
「大丈夫。心配しなきゃいけない程、彼の心は弱く無いよ」
まるで何かを知っている様な言い方に、胸がざわつく。
それを悟られねぇ様に、視線を逸らした。
「そう、かよ」
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