Chapter14 〜仮初〜

その頃冬獅郎は。
「なぁなぁ冬獅郎!お前どうやってあんな美女落としたんだよぅ。教えてくれよぅ」
浅野圭吾とか言う男に付きまとわれ。
「煩いですよ浅野さん。そもそも彼と君とじゃ顔の造りが月とすっぽん並みに違う事、自覚してますか、浅野さん」
「敬語嫌ぁあぁああ!!」
「あ、僕小島水色。宜しくね、日番谷君」
泣き喚くその男を軽くあしらう其奴に宜しくされて、適当に相槌を打っていた。
さっさと帰ろうと踵を返すも、
「あ、冬獅郎君!あの子帰ったの?じゃあ私と一緒に「何言ってるのよ!私と一緒に帰りましょう、冬獅郎君!」」
「はっ!いつの間にか人集りが…!」
他クラスまでもが混ざった女子生徒に囲まれ、頭痛を耐える。
如何やら、人避けになっていたのは自分だけではなく、玲も無意識に女避けをしていてくれたらしい。
「おい、茶渡」
「…なんだ」
丁度目に付いた知り合いを、くいっと指で招く。
「ちょっと面貸せ」
「…俺が何かしたか…?」
少し不安そうになりながらも、付いてくる茶渡の強面のお陰か、周りの人集りが開け、深い溜息を零す。
少し校舎から離れた所で、悪かったな、と声を掛けると。
漸く理解した様で、納得した様に頷く大男。
口数が少ない此奴は楽でいい。
そう言えばこういう時、普段なら絶対に付いて来る松本がこなかったな、と思い返したが、どうせ何処かで買い物でもしているんだろうと、宿泊先のホテルに足を向けた。
今、松本は井上の所に。
朽木は黒崎の所に。
檜佐木は何故か茶渡の所に泊めてもらっていて、
阿散井は以前と同じく浦原商店に居る。
玲が以前バウントが拠点にしていた場所に屋敷を建てようとしたのは止めた。
かと言って、今更別の宿に泊まるのも妙な気分になるしという事で、ビジネスホテルで一室借りているのだ。
ホテルに戻ると、そのうち戻って来るだろう玲を待ちつつ、冬獅郎は徐にテレビを付けた。
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