Chapter14 〜仮初〜





その頃、仮面の軍勢に潜在霊力の説明をしていた玲は、有昭田の結界の中から白哉の霊圧を感じ取っていた。

そう言えばもう四日目だったなと思い返しつつ、虚化の特訓で猿柿と相対する一護を見遣る。

が、彼の霊圧が上がり過ぎたからか、猿柿では相手になっていない。


「成る程な。大体分かったわ。要するにお前が一護の霊圧上げたせいで、こっちが特訓にならんようなったいう事やな」


「まぁ…そうかも」


「ほな責任取ってもらおか。俺らの霊圧も上げ」


「え〜…昨日要らないって言ったじゃない」


「え〜…やあらへんわ!可愛ないぞ!と言いたいとこやけどめっちゃ可愛いやんけ!お前何やねん!」


「真子、落ち着き。話進まんやろ」


何故か勝手にノリツッコミを始める平子を、おさげに眼鏡、セーラー服姿の矢胴丸リサが止めてくれる。


「まぁ良いや。最初からそのつもりだったし。とは言え、限定霊印のせいで今一個作るの限界なんだよね…」


「は?お前それで限定してんのか?!限定率何ぼや!」


「ん?九割」


「アホ抜かせ!今のお前の霊圧かて俺ととんとんぐらいやぞ?!」


「そんな事ないよ?今普通に感知できる様にしてる霊圧はその内の一割だし」


「…つーことは何か。今俺がとんとんや思てる霊圧が、お前の1パーセントやとでも言うんか?」


「そうだね?」


「嘘つけぇ!」


「平子さん、多分…本当だと思います。彼女は今…霊圧を極端に抑えています…」


結界担当の有昭田は、潜在能力がある程度分かるのだろう。

ぎゃんぎゃんと言い合い(一方的)をするそちらから目を逸らして、私は仕方なく前方の空間を固定した。


「何するつもりなん?」


少し警戒した様子の矢胴丸に少し笑って答える。


「本当なら、あの一護に渡したのと同じ制御装置は、今の限定率なら一日一個しか創れない。でも、待ち人が居るから、時間も無い。なら、時空制御するしか無いのよね」


「時空を…?どういう事や」


「この世界の1分を、私が作った空間の一日に捻じ曲げる」


「はぁ?!そんな事出来るわけ…「夢と現の境界を隔て、我の思う世界を肯定せよ”泡沫”」


言霊とともに、固定された空間が歪み、玲の姿が消える。


「なんやの、これ…」


唖然とする矢胴丸と、言い争いを止めた平子、有昭田。

その空間が放つぞっとするほどに強大な力は、彼等に言葉を無くさせたのだ。

最も近くに居た矢胴丸が、その歪んだ空間に手を伸ばす。


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