Chapter15 〜胎動〜

その二日後。
虚夜宮にて、新しい破面が生まれた。
そして、藍染が告げる。
「ウルキオラ、以前に伝えた指令を覚えているね」
「はい」
「作戦を実行してくれ。好きな者を連れて行くと良い。決定権を与えよう」
「了解しました」
無表情に是と返すウルキオラ。
彼を見つめる藍染の目は酷く興味深げだった。
その光景を情報として読み取った玲は、目を開いて立ち上がる。
街の中に掛けている時間調整を解いて、義骸から出た。
「…玲」
「うん。冬獅郎、乱菊と修兵の所、行ってあげてくれる?」
「…お前は」
「後で行くから」
揺れる翡翠眼に少し笑って。
彼の頬に触れる。
「ね、冬獅郎。待ってて、くれるんでしょう?」
震えそうになる声を抑えて問うと、触れる手に彼の手が添えられて。
「あぁ、約束だ」
強い言葉に、胸が軋む。
もしも何も失わずに。
この心を守る事が出来たなら。
私は…ちゃんと貴方に伝えられるだろうか。
本当の喜びも、切なさも、愛しさも教えてくれた貴方に。
「ありがとう」
今はこんな言葉しか言えないけれど。
いつかは。
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