Chapter15 〜胎動〜

冬獅郎と別れた玲は、まだ黒腔が開いてない事を確認して、ウルキオラのブレスレットに直接思念を飛ばした。
―ウルキオラ。今日、グリムジョーの他は切り捨てられる者だけ連れてきて。ごめんね、こんなことさせて。
頭に流れ込んできた玲の思念に、ふと目を閉じて、彼はすぐに口を開いた。
「ヤミー、ルピ、ワンダーワイス、グリムジョー。現世を襲撃しろ」
各々不満を口にする十刃とそれに準ずる破面に、藍染様からの指示だと黙らせる。
奴等の任務は撹乱。
だが、現世には彼女が居る。
恐らく、グリムジョー以外の破面を生きて返すことはさせないだろう。
生還した全破面の戦闘記録は、全て藍染に渡る。
あの女は、まだ藍染に自分の存在を誤認させている。
複雑に幾つもの伏線を張って。
尸魂界に残してきた駒からも、あの女の情報だけは、入って来てはいない。
記憶の撹乱か、それとももっと強い圧力か。
何かは知らないが、まだ、あの女はこちらの王に見つかりたくは無いのだ。
ならば、厄介な力を持つ新入りと、自分こそ十刃に相応しいとほざく生意気な若造。
そして、食えば食うほど霊力を蓄える暑苦しい此奴を消すに良い機会だと。
彼は感情の宿らぬ翠玉の瞳を伏せた。
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