Chapter15 〜胎動〜

黒腔が開いて、現世に破面が出現する。
同刻、技術開発局にて十刃反応を検知し、瀞霊廷内に地獄蝶が舞う。
限定解除の許可申請が急がれる中、現世に駐在していた死神達が、斬魄刀を抜き。
尸魂界で修行中だったルキアと井上織姫の所にも、報せが入った。
ルキアが一足先に現世へ向かい。
織姫は界壁固定を待つ事を余儀無くされた。
「おーおー、良いとこに出られたじゃねぇか。」
大柄な10十刃、ヤミーが笑うと、へぇ、と女の様な小柄な破面が服の袖で口元を抑える。
「あれが君の言ってた、尸魂界からの援軍ってやつ?」
品定めの様な視線を受けて、乱菊と修兵が眉を潜める。
「…動じるなよ。相手は十刃だ。申請が降りるまで、如何にか持ち堪えろ」
「「はい」」
冬獅郎の言葉に表情を変え、斬魄刀を構えて対峙する彼等を見遣り、グリムジョーは興味無さそうに視線を逸らした。
「此処に俺が戦いてぇ奴は居ねぇ」
ふん、と鼻を鳴らして、黒腔から飛び出すグリムジョー。
「あ、おい待てよグリムジョー!」
ヤミーが叫ぶも、彼は振り返りもしない。
「…いーんじゃない?六番さん前にこっちに来た事あるんだし。殺したい相手でも居るんじゃないの〜?」
余裕綽々のルピは、楽しそうに黒腔から出る。
「お前、十刃か」
冬獅郎の問いに、ルピは残念そうに首を振る。
「んーん。まだ、違うんだよね〜。でも、舐めて掛かると痛い目みるよ?」
くすと笑うルピに、修兵が斬りかかる。
片手で刃を止めるルピに、若干の焦りを感じながらも、彼は叫んだ。
「日番谷隊長!此奴は俺が」
「分かった。気を付けろ」
頷いて、冬獅郎は突っ込んでくるヤミーを斬魄刀で受け止める。
「何だぁ?てめぇのその羽織、隊長ってやつか」
「十番隊隊長、日番谷冬獅郎だ」
「奇遇じゃねぇか。俺も十だぜ。破面10(ディエス)ヤミーだ」
「ディエス…ナンバー10、十刃か」
「よく知ってるじゃねぇか。誰に聞いた?」
剣撃の応酬を繰り返しながら、情報を引き出そうとする冬獅郎。
しかし、制限の掛かった今の霊圧では、圧倒的に体格差のあるヤミーに押し負けてしまう。
「っち!流石に十刃相手に霊印はねぇぜ…」
忌々しげに舌打ちをしながら、氷輪丸を始解する冬獅郎。
その頃の乱菊はと言うと。
「あぅあ…あ〜…」
訳のわからない言葉を発しながらぼうっと空を見上げる破面に、
「此奴…斬っても良いのかしら」
斬り掛かって良いものか悩んでいた。
その頃、倉庫街地下では。
暴れる一護が六車と愛川に抑えられていた。
「離せっ離せよ!」
「煩ぇ!こんな時のためにてめぇの仲間が張ってんだろうが!」
「俺だって!こんな時のために修行してんだよ!」
そんな無謀な取っ組み合いを止めたのは平子。
「行かしたり」
腕を掴まれた六車が力を緩めると、一護は愛川を振り払って階段を駆け上がる。
それを見遣りながら、どういうつもりだと突っかかる六車の言葉を聞き流した。
一護はだらだら修行して強くなる様な奴やない。
実戦で死を間近にして、初めて力を求めて、強うなる。
どの道虚化の修行も行き詰まってるんや。
何かを得て戻って来んなら、それで良え。
それに…瑞稀玲も居る。
滅多な事には成らんやろう。
それが、平子の思惑だった。
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