Chapter15 〜胎動〜

「グリムジョー」
駆けていた彼に声を掛けると、浅葱の男は急停止する。
「お前、なっ!気配も霊圧も消してんじゃねぇ!」
若干の焦りの色を見せる彼は、本気で気付かなかったらしい。
「それは良かった。それよりも、霊圧の抑制率、少し下げて行きなさいね。一護の霊圧も上がってるから」
「んだよ。結局彼奴にも手ぇ出したのか」
不服そうに眉を潜める彼の浅葱色の髪をぽふぽふと撫で付ける。
「…人聞きの悪い言い方しないの。今回の作戦、ウルキオラから聞いてるでしょ?」
「あぁ」
ツンツンの髪がくしゃくしゃになっているのに、彼はむっとするだけで手を振り払う様子はない。
「彼女を拐えば、一護は虚圏に乗り込むよ。絶対に。だから、少し手助けしたの。虚化も出来る様に成ってるから、気を付けて」
そう忠告して、先にグリムジョーの瞳に触れ、戦闘記録に別の記録を書き込む。
一護と彼が、霊圧を上げられていない状態で戦った記録を。
その上で、今からの戦闘は記録に残らない様に記録装置に封を掛ける。
「ん、これで良いかな。そろそろ来るよ。殺さないでね?」
「わぁったよ」
ぺたんこになった頭を元に戻そうと躍起になりながら、答えるグリムジョーにくすりと笑いながら。
彼のブレスレットが不可視結界で視認出来ないことを確認して。
私はその場を瞬歩で離れた。
浦原商店で修行に疲れた恋次と茶渡の代わりに浦原が出て来るのを情報として読み取って。
暫く観戦かなと、霊圧を消したまま冬獅郎達の方へ向かった。
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