Chapter16 〜虚圏〜





朝から十刃を集めた藍染隊長の後ろ付いて、僕は十刃達が待つ部屋に着いた。

一瞬、何か違う気配感じたと思たら、すっと影が横を抜けた。

一瞬なんて生易しいもんやない。

目に追えん程速い、その影が僕の額に触れて、藍染の斬魄刀に触れた。

そんな、気がしたけど、よう分からん。

けど、触れられた途端、えらい昔の…僕が此処に居る理由と、執念を浮かび上がらせて、眩暈がした。


「ギン、どうした?」


藍染は、気付いて、ない?

何でや。

まさか僕にだけ見える様に、動いたとでも言うんか?

わざわざ、記憶呼び起こさして、復讐心駆り立てて。

どういうつもりや。


「…いえ、何でもありません」


「そうかい?」


何処と無く心配そうに目を細めるこの男が、僕は憎くて溜まらんのや。

でも偶に、忘れそうになる。

何で自分がこんなことしてんのか。

永い長い時の流れに、感情が薄れていっとったんも確かや。

それをわざわざ思い出させるやなんて芸当、出来る者に心当たり何かない。

何で、子供の頃の僕の激情を知ってんのか。

何で、今此処に現れたんか。

本人に聞きたかった。

これを知ってて、此処にきた言うことは、少なくとも僕の敵やない。

それ位は、分かったからや。


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