Chapter16 〜虚圏〜





アーロニーロが死んだ。

認識同期でそれを知った破面No.1、コヨーテ・スタークは、先の瑞稀玲と名乗った女との会話を思い出していた。


「孤独という死の形を司る貴方なら、分かるはず」


最後の言葉は、己の過去。

孤独に喘いだ自分の、苦しみ。

どんなに誰かとあろうとしても、周りを殺してしまう強過ぎる霊圧の所為で、孤独に苛まれた過去の自分。


―弱くなりたい。

弱ければ幾らでも、群れていられる。

それも叶わないのなら、強い仲間が欲しい。


そう願って、魂を分けたリリネットは、もう居ない。

前の任務で死んだ。

もう一度魂を分ければ、また違う人格が生まれるかもしれない。

だが、それはリリネットの代わりでしか無い。


「…考えさせてくれ」


そう答えた俺の内側は揺れていた。

藍染に義理は感じている。

孤独から救ってくれた、義理だけは。

けど、藍染に仲間という概念は無い。

自分達が只の駒にしか見られていないことぐらい、分かっていた。


―仲間。


その響きに、強く惹かれる。

あの、疑心の無い澄んだ瞳に。

傲慢さの感じられない態度に。

夢を見そうになってしまう。


「私に付くなら、これを付けて。目印に、なるから」


そう言って渡されたブレスレットを目の前に掲げる。

どう見たって、悪意なんか感じない。

強い力を感じさせるそれは、霊圧以外の力が混ざっている。

あの女と一緒に居たウルキオラも付けていた。

彼奴のいきなり上がった様に感じる霊圧が、あの女の力なら、納得出来る。


「どうしろってんだよ…」


期待と背徳感が渦巻く心中を吐き出すように、スタークは呟いた。


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