Chapter16 〜虚圏〜

同じ頃。
一護は破面No.5ノイトラ・ジルガと戦っていた。
「やるじゃねぇか。長物相手は初めてじゃねぇのか」
弓形の刃の付いた鎌の様な武器を受け止めて、弾き返す。
「二度目だ!」
叫びつつ、大刀で切りかかるも、相手の肌には擦り傷一つ出来ない事に焦る。
「何だ。斬れそうなのは見た目だけか。避けて損したぜ!」
刀を捕まれ、頭突きを受けて吹っ飛んだ一護の頭の中は混乱していた。
しかし、彼とて斬れない相手に会ったのは初めてではない。
過去、更木と戦った時も同じ事で動揺したのだ。
―あの時、どうやって奴を斬った?
霊圧だ。
あの時更木を斬れたのは、その垂れ流している霊圧よりも大きな霊圧を研ぎ澄ませられたから。
今なら、玲に霊圧を上げてもらって、卍解を覚え、虚化出来る今なら、負ける筈がないのだ。
目を閉じて、流れ出たままだった霊圧を、刀一本に押し込める。
それに反応して周囲の風が渦を巻く。
「これが全力だと思うなよ。卍解っ!」
霊圧が跳ね上がり、黒く染まって渦を巻く。
大気が悲鳴を上げるかのような、甲高い音が鳴り響く。
「なんだ?この霊圧…」
対峙していたノイトラは、一護が纏う霊圧が先とは比べ物にならない事に冷や汗を伝わせる。
「天鎖斬月」
霊圧を集束し、卍解した一護の刀は、ノイトラに確かに届いた。
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