Chapter16 〜虚圏〜




ザエルアポロの霊圧消失を感じ取ったNo.3十刃、ティア・ハリベルは、茫洋と自宮からノイトラと一護の戦いを眺めていた。


明らかに、ノイトラが押されている。

たまに侵入者が仮面を出す度、ノイトラに傷が増えてゆく。


「どうすんだよ、ハリベル様」


何時も元気なアパッチも、こちらの心境を察してか、元気が無い。

スンスンもミラローズも、心配そうに私を見つめていた。


「お前達は…どう思う。藍染様は、犠牲を強いることは無いと言った。しかし…彼女と戦うのならば待っているのは確実な死」


「決戦は数刻後、でしたわね」


静かに呟くスンスン。


「私は…あの女は嫌いじゃ無い」


男勝りなミラローズも、今だけは何処か言いにくそうに告げる。


「そうだな。嫌な感じはしなかった。寧ろ友好的と言うべきか。だが、威圧感は凄まじかったな…。死神にあれ程までの圧がある物なのか」


まだ、身体が少し震えている。

ヴァストローデになり、破面化した自分に敵らしき敵など殆ど居なかった。

しかし、あの女は、敵として対峙したならば、即座に死していたであろうと言う確信さえ抱かせる。

それ程に、力の差が歴然としていた。

アパッチやスンスン、ミラローズはこの圧を当てられなかったのだろう。

出なければ私よりも顕著に怯えているはずだ。


あれは半ば脅しだ。


敵となるなら殺す。

味方につくなら意を示せと。


犠牲を厭う私には、より効果的な交渉だろう。

他の十刃にも手を回しているのだろうか。

ならば何故、藍染様は気付かれない?


分からないことが多すぎる。

せめて、もう少し時間があれば。

そんな風に思う私は、既に彼女の手中なのだろうか。

私の掌には4つのブレスレット。

鮫、蛇、獅子、鹿と読み取れる細工が施してある。

そこに微かに防護結界の存在さえも読み取って。

私は目を閉じて呼吸を深くついた。


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