Chapter3 〜特別〜

「玲!潤林安って言ってもそこそこ広いぞ!」
「分かってるよ!正確な位置情報割り出すから、ちょっと待って」
私は瞬歩で駆けながら虚の居場所を特定する。
「もうすぐ!あ、冬獅郎、目の前!」
叫ぶと同時に冬獅郎が後ろに飛び、空間が歪んで虚が出現する。
瞬間、遥か後ろの精霊邸で、警鐘が響いた。
「成る程な。尸魂界の観測と此処まで時差があんのか」
現れた巨大虚と対峙しながら、冬獅郎が感心したように呟く。
「一体じゃないよ!前見て」
「分かった。取り敢えず手は出すなよ」
「えぇ〜」
不満の声を上げる私を無視して、冬獅郎は斬魄刀を抜いた。
「蒼天に座せ”氷輪丸”!」
始解と同時に跳ね上がる霊圧。
これだけで、恐らく以前の卍解と同レベル。
次々に現れる巨大虚を物ともせずに氷付けにしていく彼は確かに強くなっていて。
それでも、何処か力任せの闘いにはらはらさせられて、決意する。
特訓、しないと、と。
キンと斬魄刀が擦れる音がして、戦闘は無事に終わった。
それから随分後に死神達が駆けつけたので後処理を投げて、隊主室に戻る途中。
「冬獅郎?」
「なんだ?」
「特訓しよっか」
「何でだよ」
訳がわからないと顔に書いてある冬獅郎に最適解をぶつける。
「危なっかしいから」
「お前に言われたくねぇ!」
結局軽く喧嘩腰になってしまったのは、朝の事がまだ尾を引いているのか。
分からないまま、隊主室に戻って報告書を作成し、乱菊に渡す冬獅郎に、私は小さく溜息を吐いた。
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