Chapter17 〜決戦〜

藍染の方では平子の逆撫が発動し、全てが逆さになった世界で、冬獅郎の氷の攻撃と、バラガンの死の息吹が藍染に襲いかかる。
その瞬間、本当に一瞬の隙に。
一瞬で塵になった市丸の神槍が藍染の胸を貫いた。
それと、東仙の頭を、檜佐木が貫いたのは、ほぼ同時。
「な、に?」
呆然とする藍染の目の前に、斬魄刀を戻した市丸が現れる。
「ギン…」
「分かってたはずや。藍染隊長。僕が何を思て側に居たかなんて」
「あぁ、知っていたさ。君の狙いなど知った上で、私は君を連れていた。だが残念だよギン。君がこの程度でこの私を殺せると…「思てません」」
眉を顰める藍染に、市丸が刀を掲げる。
「見えます?ここ欠けてんの。今藍染隊長ん中に置いてきました」
「何?!」
「僕の卍解の能力、昔お話しましたよね。すんません、あれ、嘘言いました。言うたほど長く伸びません、言うたほど早く伸びません。ただ、伸び縮みする時、一瞬だけ塵になります。そして、刃の内側に、細胞を溶かし崩す猛毒が有ります」
「くっ…」
「分かってもろた見たいですねぇ。今刀戻す時、一欠片だけ塵にせんと藍染隊長の心臓ん中に残してきたんです」
「ギン!」
「喋るんやったら、はよした方がええですよ。まぁ、はよしても死ぬもんは死ぬんやけど。殺せ”神死槍”」
藍染の胸が光り出し、内側から細胞が溶けて穴が開いてゆく。
「ギン、貴様!」
「胸に穴が開いて死ぬんや。本望ですやろ」
何時ものように、にやりと笑いながら。
溶け崩れた藍染の中から、崩玉を取り出す市丸。
その瞬間、玲が藍染に手を翳した。
「神道の三十八、四聖封印」
炎の鳥が、水の龍が、風の虎が、土の亀が、藍染の周囲に現れて、その身体に沈み込み、複雑な封印紋を刻んだ。
それは、念のための霊圧を消失させる削除紋。
崩玉と一瞬でも同化した藍染が、更に巨大な霊圧発さぬよう、存在ごと封ずる強力な封印。
それを施された藍染は、みるみるうちに人の形を崩し、小さな本当に小さな十字架となった。
「なんや、終わってみるとあっという間やったね、はい、玲ちゃん。これでええんやろ?」
「うん、ありがと、ギン」
市丸から崩玉を受け取った玲の手に、泡沫が現れる。
それが現れた瞬間、握られた崩玉は、さらさらと砂になって大気に解けた。
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