銀灰の狂愛




目を覚ますと、途端に襲ってくる吐き気を、深呼吸して如何にか耐える。

吐きたい訳じゃない。

ただ、どうにもならないぐらい、気持ち悪くて。

内臓がぐちゃぐちゃになったんじゃないかなんて錯覚まで起こす。

冷や汗が伝って、ぽたりと床に落ちた。


「瑞稀、大丈夫じゃねぇな。卯ノ花さん呼んでくるからもうちょっと耐えてろ!」


視線を上げて姿を確認する事は出来なかったけれど。

声は確かに、自隊の副隊長の物だった様に思う。

できる事ならもう一度意識を飛ばしたいけれど。

如何してかそれも叶いそうになかった。


卯ノ花隊長が現れて、私の様子をみるや、


「安定剤を!」


そう叫んだ。


慌てて持ってこられた注射を打たれて、暫くすると、頭がぼぅっとして、気分の悪さは抜けてくる。

どうして、こんなものまで使って。

生きているの?

見回しても斬魄刀は手元に無い。

多分卯ノ花隊長が私の不安定さを憂いて持ち出したんだろう。

思考が働かない。

何も考えられない。

薬の所為か、気怠い身体をベッドに預けて、私は涙を流していた。




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