銀灰の狂愛




「今何しとるんやろ…」


隊舎の屋根に寝転んで、僕はあの子を思い出してた。

何時も仕事が一段落したら僕の所へ真っ直ぐ来よった玲。

愛しくて、愛おしすぎて、無性に傷付けたなって突き放したんは昨日。

あの紫紺の瞳が絶望に彩られるんを、僕は妙に高揚して見降ろした。

けど。

何時も来るあの子が来うへんと寂しなるんは何でなんや。

あの壊れそうな笑顔が見られへんなる思うと、胸が苦しなるんは何なんや。

自分が呑まれてまう思たから離れた。

これ以上一緒におって、殺してまわへん自信が無かった。

けど、今は自分が死んでまうん違うか思う程胸が痛い。

後悔、しとるんやろか。

人の温もりになんか、依存する人間やなかった筈やのに。


「…殺したくは無いんよ」


愛しすぎて、狂いそうになる。

いっそ殺して、最後に僕だけ刻み込んで。

そんなん考えたんは一回二回の話や無くて。

自分の心を制御出来る自信なんかあらへんかったんや。

許してくれるやろか。

こんな身勝手な僕を。



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