Chapter1 〜淫呪




ふと思い立って、白哉やグリムジョー、恋次までもがずっと外さずに付けている潜在霊圧制御装置を自分用に改良して創造する。

それを腕につけると見えた数字は4だった。

制御できてなさすぎて、ため息が出る。


「…白哉、定時って何時?」


「…酉の正刻だ」


「ん、じゃあ一刻ほどは時間あるね」


茶菓子の最後の一欠片を口に入れて、お茶を飲み、立ち上がる。


「…修練場か」


「うん。霊圧制御しなきゃ。あ、白哉、耳飾り、外して見せてくれる?」


その言葉に、白哉は耳の霊子変換収束機を外して私の手に乗せてくれる。

その構造を把握して自分の分を創り出し、耳につけると、彼のものを返す。


「時間軸、こっちの1時間があちらの一日、なんだよね?」


「そうだが…」


「どこまでできるか分からないけど、ちょっと修練してくる」


そう言って六番隊隊主室を出ると、グリムジョーが後ろを付いてきた。


「一緒に来るの?」


「ったりめーだ。お前を一人にできるかよ」


そんなグリムジョーの行動を、隊長である白哉は止めようとしなかった。


「護衛ってこと?」


「んなもん、なんでも良いだろうが。さっさと行くぞ。場所わかってんのかよ」


「あ、そっか」


存在自体はお爺様から聞いているけれど、場所は知らない。

案内してくれると言うのなら、有り難く好意に甘えるべきだろう。


「ありがと」


「別に」


ふいっと顔を背けて、グリムジョーが瞬歩で消える。

その霊圧を追って、私も6番隊隊舎を後にした。

特別修練所と名づけられたその場所は、大きな岩山の一つに大きな穴が開いたものだった。

中に入ると、洞窟内なのに普通に明るい。

廊下もきちんと清掃されていて、右手には隊士それぞれの休息場が、正面には物理原則を無視した広大な修練場所があった。

グリムジョーに付いてそこへ入ると、そこで修練をしていた全ての隊士が瞬時に私へ頭を下げる。

そんな異様な光景の中をグリムジョーはツカツカと歩いていく。

私はどう対応するか、一瞬逡巡し、恭しく頭を下げる隊士達に手を振ってそれをやめさせてから奥へ進んだ。

彼らの目には、羨望と陶酔の色が見え隠れしていて。

グリムジョーがついてきてくれたのはこう言う理由だったのかと勝手に理解する。


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