Chapter1 〜淫呪




瞬歩で目の前に現れたグリムジョーの爪を天照で受け止めて弾き返す。

ついで薙ぎ払われたもう片方の手は飛んで回避し、属性変更。

水の属性を天照に宿し、刀身には雷を通さない真水を利用。

鋒から水の高圧水流を放ってみるも、それも爪で弾かれる。

見た目よりも纏っている雷力が膨大なようだった。


「破道の四、白雷」


「効くか!」


それも素気無く払われて。

突っ込んできたグリムジョーの爪を受け止めた拍子に尾の斬撃を食らって吹き飛ぶ。

瞬間的に天照が自動治療に入るから良いものの、結構受けた衝撃は大きかった。


「はぁ…天照、第三解放」


抑制率ゼロにして、始解でできる最大火力まで解放したと同時、グリムジョーが虚の仮面を顔に付けた。

どうやら天照が放つ霊圧が爆発的に上がったことに対する警戒心からとっさに付けたようだった。


「その判断は正解かな」


霊圧を同調させ、力を溜め、放った高圧水流は最早天災と呼べるほどの威力で。


「っち…」


舌打ちをしながらそれを受け止めるグリムジョーだったが、長くは持たず、雷を通さない真水に飲み込まれた。

敵を飲み込んだまま渦を巻き、竜巻状に立ち上がる水を消すと、窒息寸前だったグリムジョーが咳き込む。


「…ちょっとはストレス発散になった?」


生成した水を全て消し去り、彼が負った傷を治癒しつつ問う。

グリムジョーは舌打ちをしてそっぽを向いた。


「…テメェは卍解すらしてねぇじゃねぇかよ」


「私が卍解なんかしたら、ここに張ってる結界程度じゃ持たないよ」


それは事実である。

寧ろ、第三解放させた時点で、過去のお爺様よりは遥かに強い。

お爺様の話だと、昔の私は第二解放までしかしなかったらしいから。

それでも、修行をつける前のお爺様は倒せたのだから、彼も一年で相当修練したのだろう。


「グリムジョー、耳飾りの転換率と集束率はどのくらい?」


「あ?鬼道でか?」


「うん」


「…虚閃なら150いくんだがな。鬼道は性にあわねぇんだよ。130かそこらだ」


「そっか」


それでも破面から死神になって、一年でそこまで使えるようになったのだからすごいと思う。

まぁ、虚閃は消耗が激しいし、虚弾は不安定だから、転換率夜集束率の修行をしたのなら、嫌々にでも身につけなきゃならなかったんだろうけれど。

そんなことを考えつつ、結構深い傷を癒していると、グリムジョーが私の腕を掴んだ。


「もう良い」


結構傷が浅くなってたから出た言葉なんだろうけれど。

その行動は予測できなかった。


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