Chapter1 〜淫呪

「グリムジョー、ご一緒してもええ?」
「好きにしろ」
どことなく不機嫌になったグリムジョーと、四角いテーブルに右手側にギン、左手側にグリムジョー。
四席あるうちの三席が埋まったところで、スタークまでもが顔を出した。
「隊長さん、勝手に抜け出してもらっちゃこっちが困るんだが」
「あ、丁度ええとこに。スターク、君も食べえな」
なんだかんだで四席全て埋まったところで、こっちの様子を伺っていた隊士達が私に食べていいのかと視線で問うてくる。
「あとは食べていいよ」
そう言葉を投げると、修練中だった太子まで集まってきて、あっという間に料理は無くなった。
「で、玲ちゃん何してんの、こんなとこで」
「ん?修練場に来るのに、修行以外の何があるの?」
普通にギンに問い返すも、不思議そうに首を傾げられる。
「だって君が修行なんかしたら誰も君に敵わへんやないの」
「そうでもないよ。今は神じゃないし。グリムジョーに相手してもらったけど、抑制ゼロで第三開放までさせられちゃったもの」
自分が作った料理を食べつつ、ギンに返答する。
スタークもなんだかんだで普通に食べている。
此処の時間は向こうとは違う。
少し食事したぐらいで向こうの時間にはほとんど影響がないから付き合ってくれているのだろう。
「第三…?玲ちゃんの斬魄刀は二段階開放型やないん?」
「うん。卍解含めると五段階だね」
「…ほんまに言うてるん?」
「うん、そうだけど」
きょとんとして返すと、ギンも目を瞬かせる。
薄氷色の瞳が少し見えて、すぐに隠れた。
暫くギンが悩むようなそぶりを見せて、何かに納得したように声を漏らす。
「あぁ、そうや。記憶のうなってるから普通がどうかもわからんなっとるんやね」
「うん?」
「普通の斬魄刀は二段階までしか開放ないんよ?」
「そうなんだ。まぁ天照と月詠はちょっと普通じゃないからね」
ギンが不思議に思っていたのがなんだったのかわかって漸くすっきりする。
天照と月詠は神の刀。それと同時に斬魄刀としての形状を保っているに過ぎない。
魂は同調しているけれど、全く別のもの。
それが斬魄刀と主人を強くする為の手段として私がお爺様と砕蜂、冬獅郎と白哉の刀に魂を新たに与えた事は修行の話の過程で聞いていた。
「そうね、ギン、冬獅郎や白哉、お爺様や砕蜂の斬魄刀が具現化したところは見たことある?」
「ああ、あれね。あるよ。どういうからくりかまでは知らんけど」
「あれ、私が前に修行つけてた時に斬魄刀に直接魂を与えたからなの」
「魂を…?そんなんしたら、斬魄刀が自由に動けてまうんやないの?」
「うん、だから魂を与えて、そこからもう一度屈服させた状態があの姿」
食事の手を止めて私の話を聞いていたギンは、不思議そうに首を捻る。
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