礼ヲシテシンゼヨウ
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だいたいここあたりか。私は、踵(ヒール)の高いローファーの音を響かせながら近づく。かなり酷い音がしているからあたりだろう。中也の天井に足を付けている姿が見える。
「ふふっ、チビの中也がなにやってるのかな」
全員がこちらへと向く。私は、隠れる用に羽織っていた黒の外套(コート)を脱ぎ捨てると笑みを浮かべた。
「無事だったのか」
中也が驚いている。面白い顔じゃないか。足を止めると与謝野さんを見た。
「この間はどうも。」
そして、小雪へと視線を向ける。小雪は、楽ー!!!!と言っている。ああ、いつもどおりだ。
「この間の礼でもしにきたのかい?」
私は、ポケットから筆を出す。笠木っちの異能力は見ているし、もう触れている。真海も然り。
「ほら、中也。期待にお応えしないといけないよ」
私は、空に筆を振るった。
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