ゲヱ厶ヲ始メヨウ
_翌日
芥川が、組合から来た依頼に精を出しているのを知りながら私は紅茶を飲んでいた。
ソファに身を任せ、足を組みながらテーブルに置かれたファイルを手に取った。パラパラ…と捲りながら目的の頁を探す。ある一枚の頁で手が止まる。目的の頁はあった。
「組合(ギルド)団長…F・フィッツジェラルド。」
確か…能力名は『華麗なるフィッツジェラルド』だったか。
現実でのフィッツジェラルドは、アメリカの小説家。失われた世代を代表する作家の一人だったはず。北西部ミネソタ州のセントポール生まれ。ジャンルはモダニズム文学。文学活動は失われた世代で作品は『グレート・ギャツビー』など。デビュー作は『楽園のこちら側』だったはずだ。
「…時計塔の従騎士近衛騎士団長…デイム・アガサ・クリスティ。」
能力名は『そして誰もいなくなった』だったはずだ。
現実では、イギリス生まれの推理作家。発表された推理小説の多くは世界的なベストセラーとなり「ミステリーの女王」と呼ばれた。英国推理作家のクラブであるディテクションクラブの第4代会長でメアリ・ウェストマコット*名義の小説が6作品ある。
ジャンルは推理小説で作品は『アクロイド殺し』『オリエント急行の殺人』『そして誰もいなくなった』など。
デビュー作は『スタイルズ荘の怪事件』というポアロシリーズだ。
誕生は1890年9月15日*イギリス、デヴォン州トーキーだ。私も好きで読んでいた。ポアロシリーズだけだが。
「地下組織死の家の鼠頭目…フョードル・ドストエフスキー」
能力名は『罪と罰』だったはずだ。
ロシアの小説家・思想家である。レフ・トルストイ、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀後半のロシア小説を代表する文豪である。
その著作は、当時広まっていた理性万能主義(社会主義)思想に影響を受けた知識階級(インテリ)の暴力的な革命を否定し、キリスト教、ことに正教に基づく魂の救済を訴えているとされる。実存主義の先駆者と評されることもある。
ジャンル小説で主題は宗教。文学活動は写実主義で作品は『罪と罰』『白痴』(1868年)『悪霊』(1871年)『未成年』(1875年)『カラマーゾフの兄弟』(1880年)など。
デビュー作は『貧しき人びと。』誕生はロシア帝国*モスクワだ。
「…本格的に始まりだしたか。」
ファイルを閉じると、私はメモ帳を取り出した。速記で情報を書き込むと仕舞う。ここからは、太宰や鳴野っち達とも敵同士だ。鳴野っちは原作知識持ちだ。うまくやってくれるだろう。
「…さあ、はじめよう。」
_このゲームの糸の先は、誰がいるのか知りたいね?
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