私のもの
三回もしてしまった。
朝も二回したのに、三回もしてしまった。
さすがに一日で五回はキツい。私は建人くんの三倍はイカされている。
二度目ましての建人くんの部屋。ベッドは相変わらずちょうどいい硬さでシーツもすべすべで心地がいい。腕枕をしてもらいながら余韻に浸るどころか疲労困憊でぐったりしているのだけれど建人くんはケロッとしていた。悟くんもだけどこの人相当体力おばけだ。
未だに頬っぺたにちゅっちゅっとキスをしてくる建人くん。どうしよう、この人の愛が重いです。私の愛が重いと言われたことはあっても相手からの愛が重いと思ったことは一度もない。というか、こんな風に扱ってもらったことなんて一度もない。なんかすっごく、変な感じだ。
「…私の事、好きだねえ」
「ええ、心からそう思っています」
私のどこが好きなの?なんて面倒な質問はできない。建人くんに嫌われたくないから。
「…なんで悟くんと三人でしようと思ったんですか?」
「それを聞きますか」
「え、いや…だって絶対嫌だったと思うし…」
「嫌でしたよ。でも貴女に強請られたら断れない」
「私が強請ったんですね…」
でもそれを忘れているときたものだ。本当になんで彼は私に惚れたのだろうか。私だったらこんな女は真っ平ごめんです。
でももういいんです。と建人くんはまた私にキスをして、頭を撫でる。優しくキスされる度にそこが少し熱くなって、その度に私は照れているんだって自覚をする。キスで照れるって、高校生じゃあるまいし。
でも悟くんとキスしてもこうはならない。なんていうか悟くんとのキスはもう試合前の準備運動みたいなもんだから、えっちな気分にはなっても甘酸っぱい気分には一切なることはない。
改めて、私、惚れてるんだこの人に。
「小春さんは」
「ん?」
「小春さんは、私のことを好きと言ってくれたのは本当ですか」
今朝のこと。好きと言うまでおあずけ食らわせといて何を言っているんだと思った。嘘だと言ったらまた好きって言うまでぐちゃぐちゃにされてしまいそうだ。あれはもう嫌。脳みそとち狂いそうになるから二度としないでほしいです。
「…そりゃ、建人くんのことは好きですしこんなに想ってくれているのは凄く嬉しいです。でも同時に疑問にも思ってます。貴方はとても素敵な男性だし私よりももっと…、女子アナみたいな女性の方がお似合いかと」
「提灯に釣鐘ですか?」
「はい、釣り合わないと、思います…」
ギシ、とベッドが軋む。建人くんは私が枕にしている腕だけ残し、ゆっくり体を起こして、私を見下ろした。建人くんの目はいつも少し怖い。多分、眼光が鋭くて、いつも眉間に皺を寄せてるから怖く見えるだけだと思うけど、それでも怒ってるんじゃないかってドキドキする。
「じゃあ私も六人目のセフレにすればいい」
「…ああ、そうですね、セフレなら…、は?」
「そうしたら釣り合いが取れますか」
あまりにも真剣な顔してとんでもないことを言ってきた。本気かどうかも分からない。そのえらくカッコイイお顔で見つめられるとただただ不安になってくる。
「私が望む関係になれないのなら、せめて貴女が一番望む関係になりたい。もう私と会いたくないのであれば、私はそれを受け入れます」
「そ、そんなことは、ない、ん、ですが…」
「私は、貴女が思っているような立派な人間ではありませんよ。目の前のことから逃げて、逃げた先でもまた耐えられず、曖昧で独り善がりな理由でまた舞い戻って。貴女と釣り合う人間ではない?ええ、そうでしょう。私は、貴女みたいな素敵な女性とは釣り合わない」
一体、何の話をしているんだ。予期せず触れた彼の闇。私を見つめていた甘く熱い視線はあっという間に翳り、私を見つめているのに、まるで私を見ていないよう。あまりに辛そうな顔をするものだから、乱れた髪をもっと乱すように、子どもをあやすように頭を撫でる。すると建人くんも子どもみたいに、私の胸にすっぽりと顔をおさめた。
仕事の話なのかプライベートな話なのか私には全く分からないけれど、どうやら彼は彼なりにコンプレックスがあるらしい。見た目と生活水準でとんだ勝ち組野郎だと思っていたけど、そりゃあ生きていたら誰だって前向きになれないことだってあるか。
「それで、本心は?」
「…貴女を私のものにしたくてたまらない」
「…、いいですよ。建人くんも私のものになってくれるのなら」
ここまで惚れられているのなら、逃げる必要は、ないのかもしれない。私よりもずっと不安そうな顔をしている彼の頬に手を添えて、そのまま顔をもちあげキスをする。目を瞑ると建人くんの舌が割って入ってきて、私の舌を器用に絡めとった。気持ちがいい。今まで色んな人と色んなキスをしたけれど、ぶっちぎりでこのキスは気持ちがいい。なんでかなんて分からないけれど、そういえば、好きな人とするキスなんて本当の本当に久しぶりのことで、この幸福感を私はただ忘れてしまっていただけなんだって気がついた。
「建人くん、好き」
「私も小春さんが好きです」
ちゅ、ちゅ、と何度もリップ音が鳴って、自然に体がぞくぞくを火照りはじめたのが分かった。ああ、もう体は限界なはずなのに、セックス狂いの性か。建人くんもそれに気がついたらしく、いつのまにかキスは唇から首筋へ、鎖骨へ、胸へ。つんと立ってしまった乳首に到達すると好物だと言わんばかりにむしゃぶられ、じゅわじゅわと熱を持つアソコに腰が浮いてしまう。早くここも触って。と、建人くんの手を私のソコへと導いていく。さっきまでの名残もあり、ほぐす必要はなく前戯なんて全く要らないほど濡れそぼったソコに触れて、建人くんは笑った。
「指でいいんですか?」
「…建人くんって、本当にいじわる」
「どうしてでしょうね、貴女にそう言われると、満たされるような気分になる」
それは本当になによりです。早く気持ちよくして欲しくてヒクヒクしてるソコに建人くんの準備万端なちんこがぴっとりと触れて、きっとわざとなんだろうけどすりすりと陰核を先っちょで擦ってくる。
「そ、れぇ…っ、ダメ、ダメなの…っ」
「でも好きですよね」
「あっ、あ…っ!」
素股みたいに、先っちょだけじゃなく竿も使ってずりずり擦ってその度にカリにひっかかってたまらなく気持ちいい。そのまま体が痺れるような感覚に陥り、ビクンッと体が跳ねる。達したのだ。体中ビリビリして、膣内がヒクヒクして、陰核には痒いような、こそばゆいような感覚が残っている。
荒い呼吸を繰り返しながら建人くんを見つめるともう本当に私を愛おしそうに見つめてきて、それがたまらなく嬉しくて、幸福感に包まれて、まだ絶頂の名残があるものの自ら腰を上げ、建人くんのちんこを私の膣口にあてがった。
コンドームをつけたちんこがズブズブと埋められていく。押し広げられる。もう元には戻らないかもしれないってほどに。もう何回も挿れられているのに全然慣れなくて、こんなのに慣れちゃってご自慢のキツマンがゆるゆるになっちゃったらどうしようなんて不安すらあるくらい。
「は、ぁ…っ、小春さん…」
「け、んとくん…っ!あ、ぁ、」
潰れそうになるほどに抱きしめられ、それも嬉しくてぎゅうぎゅうとちんこを締め付けてあげる。建人くんも喘ぎ声をあげて気持ちよさそうだ。
「ぅ、ぁ゙…ッ」
「イ、く…っ、あ、建人くんっ、ま、たぁ…っイっちゃう…ッ、んぅ……ーーッ!」
「す、みません…っ、まだ…ッ、ぁ、」
「あ゛…!らめ、あっ、イクのとまんな…ッ、んぁぁ…ッ!」
「…っ、あ、小春さん、の…っ、吸い付いてきて…ッ、」
「またイク…っ!イッ、〜〜〜ッ!」
ずっとイってる。脳が焼き切れそうだ。ずっと膣に力が入り続けてて、うねらせて、締め上げて、建人くんのちんこを離さない。もう四回目だからだろうか建人くんは中々イかなくて、私のおまんこをおかまいなしに蹂躙し続ける。これ、好き。
首や胸にキスされる度にチクリと痛む。キスマークをたらふくつけてくれているようで、そんなところにつけたら仕事の時隠さなきゃいけないのになんて思うけど、何も言わずに許してあげる。ていうか、そんな注意する余裕なんて私には無い。
「は…っ、あ、…もう、出、る…ッ」
「わたしも…っ、また…、ンぅーーーーッ!」
まるで孕めとでも言わんばかりにちんこを奥に押し当てながら射精している。ゴムがなければ本当に孕んでいたかもしれない。吐き出し終えたのか建人くんはヨダレ垂れ流しの私の唇に躊躇なく吸い付いてきて、未だに腰を揺らしている。
「ん、はぁ…、あ、……えっ!?」
「すみません、もう一回」
「ちょ…っ!あん!」
しばらくキスで余韻に浸っていると、ゆるゆると腰を動かしていた建人くんのちんこがまた硬くなっている。「もう一回」と言われた瞬間にちんこを引き抜かれ、ビクンと体が大きく跳ねる。欲望の溜まったゴムを素早くポイッと投げ捨てるとまた新しいものをつけて、建人くんの大きな体が私の上に乗っかった。
「も、私…む、むり…」
「…無理してください」
「あ…っ、は、ぁああ…ッ!」
化け物だ。一日に何回射精できるのこの人。無理って言ってんのにドチュドチュ激しく突かれてもう喘ぎ声も枯れている。
ようやく建人くんが満足して行為が終わった頃には意識は朦朧としていて。もう力も何も入んなくて突かれる度にぷしぷし潮を撒き散らしていた。もしかしたらおしっこだったかもしれない。おかげでベッドもぐしょぐしょだ。
「すみません、本当に…」
「……、も、こえ、でな、い」
「シャワーを浴びましょう。運びます」
「むり…、もう、むり…」
体が汗やらなんやらで気持ち悪い。シャワーを浴びたい。でももう動けない。頭が働かない。目を閉じるとすぐに眠りにつきそうで、でもシャワーを浴びなきゃ、と必死で目を開けるけど、建人くんの声ももう遠い。
気がついた時にはもう朝で、隣では建人くんが憎たらしいほどにえらく綺麗な顔をして眠っていた。