「金色のギル」

「一番付き合いが長いし」
「全てを曝け出した間柄だからなァ」
「ちょ、ちょっと!他の人が居る前で妙な事を言わないでよ…!」
「彼奴らも我の一部だ。気にする必要はなかろう」
そういってしまえばそうなのだけれど、多少はこちらの気持ちを汲んで欲しいところではある。
……それが通じないのが人類最古の英雄王。加えて傲岸不遜な性格と来た。
私が何かを訴えたところで鼻で笑われて一蹴されるのが目に見えているのでこれ以上何も言わないようにする。

「我と貴様が伴侶になった事を下々の者共に宣言しに行くぞ」
「はい?!ギルって本当に突拍子もなく行動するよね?そこの2人も傍観してないで助けて…!!」
「その人はこうと決めたら絶対に曲げないと梓さんもよく知っているでしょう?」
「諦めるがよい。満足すればそやつも大人しくなる」
「えぇ……」
それじゃあまた後で、と姿を消した2人を睨みつけていると端正な顔がぐいっと近付いてきてドクンと心臓が跳ねた。
黙っていればどこまでもかっこいい男なのに勿体無い。
そうやって褒めると直ぐに調子に乗るから間違ってもその事は言ってやらない。

梓に触れるだけのキスをしたギルガメッシュの目はいつになく優しい色を帯びていた。

極夜