体調管理はしっかりと
一部分に顔文字を使用しています
お風呂上りで火照った体を冷やそうと扇風機のスイッチを押す。扇風機から送られてくる風の生温さに瞬く間に眉間に深い皺が刻まれ堪らず私室の窓を開け放った。(バケツをひっくり返したような豪雨の後だからか室内に入ってくる風はひんやりと心地いい)
ベッドに腰掛けながら携帯の液晶を覗き込むと遊戯君と瀬人君の名前が表示されていた。
「瀬人君が連絡してくるなんて珍しい…」
なんて呟きながらロックを解除して先に来ていた遊戯君のメッセージを開こうとした瞬間、大きなくしゃみが部屋に反響する。
…返事をするより先に窓を閉めて上を羽織るべきかもしれない。キャミソール一丁で晒されている二の腕を摩りながら腰を上げた。
**
「38.5℃、風邪だな」
「あー…やっぱりかぁ」
翌朝全身の倦怠感と酷い痛みを訴える頭にもしかして…と熱を測った結果、予想は的中した。
晴天時と雨天時の気温差に前々から体調が芳しくないので気をつけていたけど、昨夜のタンクトップに窓全開(+扇風機)が決定打になってしまったらしい。
「遊戯君に学校休むって伝えなきゃ」
いつも待ち合わせて登校してくれている遊戯君に心配を掛けてはいけないと彼の携帯の番号をプッシュした。
「菜乃ちゃん?おはよう」
呼出音に鳴る間も与えず電話に出た遊戯君に少しばかり驚きながら私もおはようと返す。
「朝早くに電話してごめんね。熱が出たから今日は一緒に行けないって伝えたくて…」
「えっ!?僕のことは気にしなくていいから休んで休んで!学校が終わってからになるけど欲しい物があるなら持っていくし気兼ねなくメールしてきてね。あ、ノートも僕が取っておくね。またメールするよお大事に!」
「切れちゃった…」
通話終了02:37と表示された直後バイブレーションする携帯に肩を震わせながら届いたメールの差出人に思わず笑みが零れた。
幸運にも今日は遅出のお父さんがお粥を拵えてくれると言っていたし、もう少し眠って体力を回復させるとしよう。
差出人:武藤遊戯
さっきは一方的に話した挙句電話を切っちゃってごめんね。少しでも早く電話を終わらせて菜乃ちゃんを休ませてあげたかったんだ( ´・ω・`)
しっかり寝て早く元気になってね。
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…少しだけ寝るつもりだったのに結構な時間眠っていたらしい。室内の時計が指し示す時間に苦笑しながら上体を起こせば傍らのテーブルに置かれたお粥と水、白の錠剤とメモが視界に映った。
菜乃へ
体調を崩しているお前を置いて仕事に行くのは心苦しいのだが…熱が下がったからと調子に乗って動き回るんじゃないぞ
お粥を食べて薬を飲んだら安静にしておくこと!冷蔵庫のポカリで水分補給もするように
菜乃が寝ている間にお見舞いに伺いたいと……読み終わる前にインターホンが鳴り響く。お父さんが言っていたお見舞いの人、だろうか。
嗄れた声ではーいと返事をして今だズキズキ痛む頭を抑えながら玄関の扉に手を掛けた。
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極夜