オーバーロード





ディセプティコンの本部にて珍しいちいさな生き物がそわそわと辺りを見渡していた、この軍のリーダーメガトロンに飼われていると噂の人間であったと思ってなにか困り事かと2人の兵士は彼女を見つめては声をかけるべきか悩んだ
皆彼女が気になるがリーダーの所有物に手を出せる程の勇気は無い、だがしかし遠巻きに見た時の彼女の不思議な魅力には抗えないのも事実だった後ろを振り返った彼女は丸い水晶のような瞳をさらに大きくさせた

「こんにちは」

かわいい鈴のような心地のいい人間の声に2人の兵士は同じ言語で返事をした、これだけであと半年は頑張れるかもしれないと言うほどに心地いい
ふと彼女は困った顔をして顎に手を当てううん…と唸った、どうしたものかと流石に挨拶をした彼らは優しく声をかけるその姿はディセプティコンのいち兵士とは思えないほど優しく紳士的だろう

「今からゲームしようかなって思ってたけど人数が足りなくて、どうしようかなって」

2人の一般兵はこの後の予定を確認したがまだ次の仕事まで時間は約数時間残っていた、彼らは顔を見合わせるや否や個人回線を繋がずともこれは仲良くなるチャンスではないかと察した、彼女と仲良くなることは昇級にも繋がる場合もあるしそうなればますます彼女と過ごせる一石二鳥どころの話ではないぞと彼らは今すぐ手を繋ぎ喜びたくなったがあくまでクールに ちょうど時間があるから付き合ってもいい と返事した

「本当?みんなと仲良く楽しくできるの私とっても嬉しいな」

それはこちらのセリフだと2人は言いたかったが口には出さずに徒歩移動が大変であろう彼女をどちらが連れてってやるかと地味な戦いをして、勝利を得た片方が彼女を抱き上げた
手のひらに乗るちいさな柔らかい人間にいますぐオールスパークに還りそうだった、彼女に案内されるがまま基地内部の一室にいって部屋のドアを開けて3.4歩踏み入れてから彼らは固まった

「お待たせオーバーロードようやく4人揃ったよ」

正方形のテーブルの一角には見たくもないが見覚えのあるディセプティコンが1人、あの悪名高きフェイズシクサーズのオーバーロードである、手の中の彼女は嬉しそうに話しかけるが優しく彼女をテーブルの上に乗せた彼らは
申し訳ないが用事が ちょっと体調が悪いかも
と言い残してまるで嵐のように去っていってしまった、彼女が声をかけるまでもなく行ってしまった彼らの背中を寂しく見送ったあと席に座るオーバーロードをみて溜息をこぼした

「はぁ、また2人だねごめんね…あっそれポン」
「いいや構わない、俺は2人でこうして出来る事も案外嫌いじゃない」

ARで映し出されたテーブルゲームをする2人は毎度こうであった、どうにか誘ってもみんな部屋に来ては大抵帰ってしまう

「みんなもしかして麻雀とか嫌いなのかなぁ」
「まぁディセプティコンは頭を使える連中ばかりではないからな、残念ロンだ」
「ウッソ!」

叫ぶ彼女にオーバーロードは自身の手牌を倒し見せればそこには綺麗な国士無双が並んでいた、うそぉ…とまだ小さくつぶやく彼女をみて笑うオーバーロードはまだまだ2人で遊ぶのも悪くないと思いながら向かいの席で残念がる彼女をみて笑った

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