ツインキャスト



気取っちゃってと昔を知る彼女はちょっとばかり気に食わなさそうに青くなった彼を見つめた
余裕があってスマートで紳士的で頼りがいがあって、昔の赤くて地球にいた頃の彼なんて今じゃあ面影もないほどだ

「あの頃の方がかわいかった」
「あの頃って」
「ブロードキャスト」

懐かしい名前に彼は顔を上げて驚いた表情をした、だってこの名前なんて久しぶりだもんねと思っていたら彼は仕事を一旦やめて私に近付いた
何をするんだろうと思いきや大きな金属の手が私の手に重ねられてまるで捨てられたチワワみたいな顔をした

「今の俺っちはかわいくないって?」

あの頃みたいに砕けような話し方をする彼に目を見開けばチュッと音を立ててキスをされる。かわいいけどちょっと大人になっててずるいなと思っただけとはまだいえなくて悔しいから彼の唇にこちらからキスをした
青い機体が赤くなるまでしてやるんだから。

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