インパクター
▼▲▼
人間でありながらレッカーズに身を置き気付けば2人は何も言わずとも惹かれあっていた、ポヴァの一件は耳には入っていた上に逮捕される瞬間もその場にいた彼女を最後に見た時泣いていたのは印象的だ
もう今更いいだろうと思いつつもインパクターはG9に収監された20年間で彼女を考えなかった日は無い、芯の強い女だ自分が居なくても平気だと理解していながらもあんなに小さい脆い人間という種なのだから死んでやしないかと考えた、だから仲間たちに彼女が生きていると聞いた時は安堵した
危険武器整備開発室と記載されたそこのドアの前でインパクターは落ち着かずに右手でドアを軽く引っ掻いては戻ろうとした途端ドアが開いた
「インパクター?」
背後から聞こえる震えた声に機体が跳ねる、あぁ声が少し変わったと感じたのは自分の記憶の彼女は昔だからだろう、インパクターの足が重くなったのは物理的なものに変わった
やわらかい心地よい温もりが左足から拡がるのがわかる、それまで溜まっていた苛立ちも不満もすべて拭い去られる
「無事でよかった」
声色から感じた言葉は何処までも自分を心配したもので振り返ろうかと思えば向かないでと言われる、疑問に思えば貴方達は機械だからいいけど私は人間だから20年も経つとオバサンになっちゃってるから。と言われる
その時たかだか20年如きでも彼女にとっては違うんだと実感するがそんな事も気にもせずにあの頃のように左手で抱き上げ、ようやくみた彼女は何も変わっていないように感じた
「待たせて悪かった」
以前人間は2.30年くらいで結婚をするんだと言っていた言葉を思い出した、本来彼女はこんな場所に居ずに自分の幸せを掴むべきだと思っていた、その反面自分を待っていた彼女に喜ぶ気持ちもある
「本当に自分勝手なんだから、今度はどんなに言われても離れないからね」
例えそれが監獄でも地獄でももう二度と、そういってインパクターを
抱きしめた彼女の背中を抱きしめた、地獄でも2人なら悪くないと思いながら彼女の体温を感じるのだった。
▲▼▲
- 25 -