ごーごーホットロッド・ウルトラマグナス


毎度毎度寝坊で遅刻をするホットロッドに呆れながらもウルトラマグナスはサイバトロン星の中で一番走り慣れた道を通り、ひとりが住むにしてはそれなりに大きなトレーラーハウスのような形をした"HOT ROD"と丁寧に表記された家に勝手知ったるや入る
ベッドの中には未だぐーと盛大な寝息を立てて気持ちよく眠っている様子の彼に青筋を立ててウルトラマグナスはその布団を剥いだ

「起きろ、ねぼすけくん!」

いつも通りに勢いよく布団を取ればホットロッドは普段であれば抱き枕を抱きしめているはずが白く柔らかく丸くどことなく幼い寝顔を晒した女性を抱いていた、見覚えのあるその人物はホットロッドの腕に抱かれ普段身にまとっているはずの衣類は何も身につけていなかった
思考回路が止まったウルトラマグナスのことなど気にもせずに2人はゆっくりと起き上がり、おはようと挨拶をしてホットロッドの手の中にいる彼女は連れられて顔を洗い歯を磨き服を着た

「ちょっともー、ホットロッドってばお洋服着れないよ」
「へへっいいだろ」
「ほらほら遅刻しちゃうってば」

カラカラと笑う2人の声を聞きながらもウルトラマグナスは理解が及ばなかったが彼の身体まるでぜんまい式のロボットのように律儀に動き布団を整え2人分の食事を提供してその間に洗濯をして用意が出来た2人は楽しそうに笑いあっている

「よっしゃ!準備万端」
「それじゃあいってきます、ファイアー!!」

ビークルモードに変形したホットロッドに乗り込んだ彼女は掛け声を上げて出ていってしまいひとり残されたウルトラマグナスはようやく意識を取り戻し、乱れたベッドシーツを直したときシーツに残された名残をみて思わず唇を噛み締めその傍にあるゴミ箱を見ればティッシュが生々しく残されていた、だがしかしひとつそれらしいものが無くサイドテーブル等をウルトラマグナスは調べたあともしや…と危惧する

「やっべぇ忘れ物してた」
「もう本当おっちょこちょいなんだから」

戻ってきた2人はベッドの傍で固まるウルトラマグナスをみて不思議に感じて見つめていれば名を呼ばれる、これは…怒っているものだった

「ホットロッド…彼女との接続で避妊具は?」

そう問われホットロッドは炎ではなく珍しく冷オイルが額から垂れてくる、足元のかわいらしい恋人も同じ表情で冷や汗を浮かべて顔を逸らした

「話がある!そこに座れ!」
「勘弁してくれよ会議だろ」
「会議よりも大事な話だ、きみも聞くんだっ」

ひーんと2人は目尻に涙を薄く滲ませてウルトラマグナスから保健の授業を受けるのだった。

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