シャドウ丸


昼休憩という時間は自由時間でありそれはブレイブポリスの面々にも適応される、シャドウ丸は決まって自身のパートナーともいえよう彼女の元に今日もまた顔を見せに行ったというのに彼女はそんなことも気にせず読書に励んでいた
いつも用意している昼食のサンドイッチのゴミがテーブルの上に残されており片手間にはいいのだというが栄養が偏るといったのは何度目だったか、だが今日はそんなことよりもあと二十分で終わる休憩時間にいてもたってもいられなくなった

「何を読んでるんだか」
「んーっと、シャドウ丸の気持ちを少しでも理解しようとおもってね」

ようやく絞り出した彼の声に反応した彼女の手の中にある雑誌、表紙には愛らしい子犬たちがじゃれ合う姿でありタイトルには"愛犬たちのきもち"と書かれていた
全くもってどうしてこの人は頭がいいのに悪いんだろうかとシャドウ丸は自身の超AIで考えたが答えは出ずに呆れて見つめていれば彼女は雑誌を閉じて彼を笑顔で見つめて呟いた

「ほらシャドウ丸、お手」
「はぁ…しやせんよ」
「ねぇおねがい」
「うっ…」

いい歳した大人が甘えるような声を出して…なんて言いたくもなるが結局彼は甘かった、差し出された小さな手に自分の手というよりも指を重ねれば次に「私の事抱っこしてちょっと顔に寄せて」といわれもう好きにしたらいいと指示に従った

「なにしてるんです?」
「ご褒美だよ、わんちゃんが成功したらおやつをあげるか撫でてあげるのがいいんですって」
「だからオレは犬じゃ・・・あぁもう」

満更でもないとはいえない自然と緩む金属の口角を隠すように彼は口元に手をやって彼女の小さな手に触れられる感触をしっかりと味わった
ちらりと横目にみつめてみれば彼女はこれまた楽しそうに微笑んであまいあまい声でいう

「私だけのかわいいシャドウ丸」

負けましたよ、惨敗だ
後に彼はそう語る頃には昼休憩の終わるアラームが部屋に響いた、まだもう少しと名残惜しく思っていれば彼女はそれを察したように午後は私の仕事の手伝いでもしてよ。というものだからこの際今日くらい彼女の犬になってもいいかと返事をする

「わん」

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