幸運Dによるバニーガールの受難




「信じられない、ありえない、こんな事があるなんて、絶対許さない」

ブツブツと呟く一人の女、背を丸めてその身を縮めているものの、カウンターの中でドリンクを忙しなく作っているバーテンダーに早くドリンクを運んでくると急かされると彼女は屈辱的な表情を浮かべつつ、不慣れな足取りで赤いカーペットを踏みながら歩いた。

ここは少し特殊なラスベガスのカジノ──かつて特異点となった特殊なその場所は今やルルハワ同様、カルデアの少しの息抜き場所となっていた。

そしてカルデアのスタッフであり、サーヴァントの記録係を務めているエクレールは現在、バニーガールとしてそのカジノで働かされていた。

「これもそれも全部博士のせいなのにッッ!」

そう叫んでも彼女の嘆きは意味もなく、騒がしいカジノの喧騒に飲まれていくのだった。

それは数時間前。
たまにはマスターもサーヴァントもスタッフも関係なく、息抜きをするのはどうかという提案を所長たちから受けたことから発展した。忙しいカルデアだが、それでも多少の息抜きは重要で、解決してある微小特異点であり、ルルハワのような場所ならレイシフトも含めて問題ないという話になった。
いくつかの候補を出した末に選ばれたのが今回、水着剣豪七色勝負の舞台となったラスベガスの特異点であった。
もちろん、カジノ以外にも実在の現代であるラスベガスと同じ作りとなったこの場所においては、他にといくつかの遊びがあり、エクレールもたまの息抜きとして来ては個人的なマスターとサーヴァントという関係にまでなってしまったニコラ・テスラと共に日中を楽しく過ごした。

「そういえばラスベガスといえばカジノですよね、博士は行ったことありますか?」
「カジノ自体は私の時代はまだ主流ではなかったが、小さな賭場で嗜む程度なら幾度かは」
「そうだ、博士って頭がいいし、きっとそういうの得意でしょ?ちょっとだけ遊びに行きましょうよ、この特異点のカジノはいっぱいありますし、博士もたまには羽目を外しましょう!」

日中は買い物や観光を楽しんでいた彼女はあまり来れないのだからたまにはと言って、人生で経験した事の無いカジノへと強引にテスラの手を引いた。
そしてたどり着いたのはカジノ・キャメロット、かのルーラー獅子王がオーナーを務めるカジノであり、このラスベガス特異点の中でも頂点ともいえる場所である。既に見慣れたサーヴァントやスタッフ、そして数多の客が来ており、流石キャメロット……と彼女とテスラは感心した。

「それにしても博士、なんだかその白のタキシードはちょっとマフィアじみてませんか?」
「何を言う、その場にふさわしい格好をしているではないか。この美しいかの白鳩のような真っ白なこのタキシード、アシンメトリーなこのカッティングに、帯電しているかのようなこのネクタイ…「あぁもう分かりましたよ、素敵ですね」…君も素敵だ」

よく似合ってる。とテスラは彼女の褒め言葉に同じように返す。それは心からの言葉であることは、彼に助手と任命されて勝手にマスターやらなんやらと色々な位置に置かれた彼女にはわかっている事だった。
恥ずかしそうにしつつも、ここに来る為にと買った純白のドレスはテスラに合わせたものであるため、素直に嬉しいと思ってしまうのもつかの間。テスラは大きな手で彼女の肩を抱くなり「さぁ我らの交流電流を見せてやろう!」と声高々に宣言しては足を進めるため、彼女は呆れつつも初めてのカジノの世界へと足を進めた……のはよかった。

「どういう事ですか博士」
「おかしい、私の計算上、いや理論上はあの回転率と軌道からして必ず黒の三十三に入るはずだったんだ」
「さっきもそう言って外してましたよね?というかルーレットだけじゃないでしょ」

バカラも、ポーカーも、ブラックジャックも、ルーレットも、全てテスラは負けが多かったのである。
その割には賭け事をしたがり、彼女が初めに用意していたチップもマイナスになっているのだが、テスラは今度こそ違う。と何度目かの言葉を吐いたが負けたのである。
初めこそ彼の隣で見守ってハラハラドキドキしていたエクレールも流石に…となっては、周囲を見渡し、そして自分がサーヴァントの記録係であることを思い出し、テスラを客観的にみては理解した。

ニコラ・テスラは幸運値が高くないのである。
幸運値というのはその名の通り、サーヴァントの幸運度合いであるが、ニコラ・テスラは生前のこともあり、残念ながら下から二番目のDランクである。つまり、彼はあまり運がないということだ。
不運というほどでは無いが、普通の人より少しだけツキがない。その割には熱っぽくなりやすいのだが、そんな時、彼女とテスラの隣の椅子が引かれて、座ってきたのは紺色に赤いネクタイを締めた大男、否、獅子頭の天才発明家トーマス・エジソンである。

「なんだテスラ、君はまた負けてるのかね、ん?」
「なに?私が負けてる……?かのナイアガラの滝での発電所の設置に大勝利を収めたこの私に?」
「過去を持ち出すのはよくない。だがしかし事実負けてるだろう?まぁ仕方あるまい、交流などという甘い考えの貴様ではギャンブルなど……あっ、そういえば学費をギャンブルに当てた癖に負けたことがあったんだったか?」

なんだと、この直流!
本当のことだろ、この交流!

エクレールはどうしてこんなに水と油なのに付かず離れずになるんだかと呆れつつもテスラのタキシードの裾を摘んで「ねぇ博士もう終わりましょう!」といったのだ。普段なら彼も冷静であるはずで、しっかりと引いてくれると思っていたが、突如としてカジノ・キャメロットの明かりが落ちると同時に眩いミラーボールが周り初めて、派手な音楽が流れる。
そしてアナウンスが流れた【ビッグチャンスタイム】という一言により始まったそれは各テーブルゲームにおいて、勝てば大当たり、負ければ無一文という形。エクレールはそんな危険なゲームに参加できるかと慌てふためくが、二人の天才は顔を見合せては笑った。

そしてあろうことかテスラはエジソンに並ぶために同等のチップを借りた。
大切な助手を担保にかけて。


彼女もそれには気付かなかった。
何せ火がついた彼らを相手するのにも飽きて席から立って近くでカクテルを貰って帰ってきて、テスラの後ろから見慣れないチップと賭けられたそれと、完全敗北を決めたテスラとエジソンの二人を見て怒り散らしたかと思えば、突如黒服が現れては「エクレール・アヴニールさんですか?」といわれ「はい」と素直に返事をした。
見せられたのは借用書。ニコラ・テスラが先程のビッグチャンスタイムの為に、エジソンと張り合うために借りたチップの支払いを求められたのだが、彼女は財布を開いてもその金額など持ち合わせてない。チラリと椅子に座る彼らを見たが負けた男達は当然払えるわけもない。

そして彼女は払えないことを告げるとオーナーであるルーラー獅子王が現れた。
彼女はカルデアスタッフの一人であり、真面目で苦労人のエクレールをみては「借りたものは返してもらわなければなりません」と丁寧に優しく告げた。しかしないものは無いのだというと、少し考えたあと「では身体で返してもらいましょう」と美しい笑みを浮かべると同時に彼女は近くにいたバニーガールに捕まって、スタッフルームへと運ばれた。

「なんでこんなことになるのーー!?」

その叫びも虚しいまま、彼女は冒頭通り、このカジノ・キャメロットで働くことを余儀なくされた。これもそれもあれもどれも何もかも全て、ニコラ・テスラが悪いのだ。
元からトラブルメーカーで、ちょっと紳士的でときめくところも合ったかと思えばいつも何かしらで崩してくる。

広々としたカジノでは多種多様な見た目をしたバニーガールが慣れたような格好で歩いているが、それはあくまでも作業員として自ら雇われて働いているからいいとしても、エクレールには無理だった。
真っ黒な光沢感のある黒レザーのハイレグとなったバニースーツ。つけ襟とテスラを彷彿とさせるネオンブルーの眩い蝶ネクタイ。細かい網目の網タイツに、履きなれない十センチほどはある、黒いエナメルに側面が蝶ネクタイ同様のネオンブルーになったパンプス。手首には白地に金色のボタンの着いたカフス。ご丁寧に黒い大きなうさぎ耳のカチューシャと白いフワフワの小さな丸い尻尾。
彼女のために用意されたものなのかと聴きたくなるバニー服は、作業員一人一人のサイズに合うように、着た者のサイズに自動的に合わせるようなサイズ調整の術式があるのだというが、そんなことに使うなとエクレールは声を上げたかった。

「ほら、ドリンク持ってって」
「あっ……はい」

しかしながら悲しいことにエクレールも結局働かされると、いつまでも泣きべそをかいていられる女でもなく、ドリンクの配膳ならできるだろうと言われて銀色のトレイにいくつかのカクテルを乗せては注文を受けたテーブルや、ウェルカムドリンクとして客に配ったりとしていた。
それもこれも学生時代の飲食店のアルバイトでの経験が生きているのだろうが、全くもって悲しいことだった。オーナーであるルーラー獅子王の慈悲として今日一日働けばチャラにしてくれるということに関しては頭を下げてもキリがないが、本来は休暇で来てるはずだが?と思いつつも働いた。

「それにしてもなんだ、エクレールくんはやはり適応能力が高いな」
「当然だ、私の助手だからな、おいエジソン貴様!彼女に鼻の下を伸ばすな!全く私の助手だというのに失礼だ」
「なっ!失敬な……私は紳士的に見守っているだけだ。いやまぁ少しそういう目で見なくもないが、貴様もわかっているだろう」

エジソンとテスラは静かにウェルカムドリンクを飲みながら広いフロアを忙しく駆け回る彼女を見ていた。というよりも二人だけではなく、周囲の客たちの視線が時折彼女を追いかけるのだ。
無理もない……他のバニーガールと比べても彼女はあまりにも見た目に華が少ない。一般的に見るところ平凡な部類の顔立ちと身体だが、それがこのカジノのバニーガールの中では反対に際立ってしまう。
恥じらいがあり、けれど仕事には熱心で、逆に何かを言われたりされると困り果てては周囲に助けてもらおうとする。初心者マークのついた彼女をみていると、まるで猛獣の檻の中に入れられた子ウサギにも見えてくる。

「なっ!?あの観光客っ……わ、私の助手になんたる」
「あの客、ほほぉ……流石はラスベガスのカジノ、客も楽しみ方がわかっているようだな」

エジソンはまるで他人事のように笑うのみであるが、視線の先のエクレールは客に頼まれたドリンクを持っていくと、彼女を気に入った客が彼女にチップを渡した。それも単純に渡す訳ではなく、胸元に挟んだのだ。
ピッタリとしたレザースーツとなったそれに挟めば落ちないし、他のバニーガールも同じことをされているため、何もおかしい訳では無いが彼女は真っ赤な顔をしつつも拒絶出来ずに短い挨拶をして去っていくがテスラの心中は穏やかではなかった。

「あっ博士、エジソンさんも、そこで立っててもも暇でしょ?別のところ行ってて構いませんよ、博士もお金なら私のお財布にありますし、適当にカジノ以外でもいいですから過ごしててください……全くもう」

忙しいんだから。という彼女は通り際に貰ったばかりのチップであるドル札をテスラに乱雑に手渡して去ると、エジソンも少しだけ哀れんだ。まるでヒモの男のようだから。
テスラは「なにもいうな」と釘を刺すため、エジソンもテスラ自身が蒔いた種とはいえ、いつものようは挑発はできなかった。流石に男として哀れだから。

犬猿や水と油といえど二人はつかず離れずで、なんだかんだと仲はいい。
カジノのバーカウンターで並んで座ってはエジソンに「私たちにはギャンブルは合わない」という話をされては、テスラもビリヤードなら完璧なのにと話をしつつドリンクを片手に眺めていたものの、それも長くは持たなかった。

他のバニーガールたちとは違い、ただの素人が一日体験のように働かされているゆえに隙が多いエクレールは、本人さえ気付かないほど、いや、気付いていても言えないのか客に触れられたり声をかけられたりと繰り返していた。

「あの客!このカジノはかの裁定者獅子王がオーナーを務めていながら、こんなふしだらでいいのか」

卓についた客がドリンクを受け取ったかと思えばエクレールの腰に腕を回して引き寄せては何かを言っては必死に首を振られている当たり、口説いているのがよくわかる。
騒がしい音のせいで会話は聞こえずとも口の動きだけで会話がわかってしまう。

「今夜専属バニーになってくれないかね?」
「無理ですよ、私ここの作業員じゃないですし」
「チップなら弾もうじゃないか」
「そっそうじゃなくて」

しかしながらテスラがどれだけ奥歯を噛み締めてその美しい顔立ちを崩したとしても、ことの発端は彼なのだ、攻める義理はない。
そんな男を見たカウンターの男……それは円卓の愛の騎士トリスタン卿であり。彼は静かにドリンクを作りながら「彼女を取り戻したいのですか」問いかけたことに、テスラは当然だといった。もちろんシンデレラのように日付が変われば開放されるのは理解しているが、そこまでにはあと数時間は優にある。その間彼女は狼の群れの中を跳ね回るウサギでしかないため、テスラの不安は消えることは無い。
しかしバーテンダーをしていたトリスタンはそれならばとひとついいことを教えてやった。しかし彼がこの場でバーテンダーをしているのはオーナーであるルーラー獅子王のためではなく。彼もまたギャンブルに大負けしたからであるのだった。

エクレールは疲れ切っていた。
カジノに来たのはそれなりに早い時間で働き始めて一時間以上、慣れないハイヒールは足を痛めるし、客はチップをくれることはありがたいが些かタッチが多い。過度な場合は黒服に助けてもらえるが時間が経つと客も増えて人の視線も難しくなる。
苦笑いをして断りきれずに流されがちになるのは良くないもわかっていても、対人構築に慣れた彼女はあまり波風を立てたくないとして、対応をしているが、それでも触れられることには嫌な気持ちにもなってしまう。

酒も入ってギャンブルにも勝って気持ちよさそうな客はドリンクを持ってきたエクレールをみては、その腰を抱いて隣で見守って欲しいと熱心にアピールするが断っていたはずなのに聞き入れてはくれない。

「(さっきからずっと足触ってくるし嫌だなぁディーラーの人も忙しいし黒服もいないし)」

本当すみませんごめんなさい、と繰り返しても酔った相手は聞き入れずに機嫌よくエクレールの胸元や背中にチップを入れてくれるが、エクレールは困り果てるとき、相手はより強く抱き締めて彼女を口説こうとすることにエクレールは左腕のテスラから渡されているブレスレットをみて、事の発端は彼であるのだから、なおのこと助けて欲しいと思っていた時。
彼女と客の間に手が伸びて、黒い手袋をはめた大きな手が彼女の肩を掴んで後ろに引き寄せると、彼女の背中にトン…と何かが触れて、振り返るとテスラがいた。

「我が助手…いや、我がバニーガールよ、仕事の時間はここまでだ」
「え?博士?あっ、エジソンさんも、どうしたんですかそのチップ!?」
「いやなに私の能力があればこそ、得てきたものだ」

フフンと自信満々にいうがエジソンが声高に「貴様だけの力ではないだろ!」と叫んだため、何事かと思うが、エジソンが指をさしたのはカジノの中央にある純金のスロットのような機械。それはスペシャルゲームであり、チャンスタイムとは比ではないギャンブルマシンであった。
曰くテスラとエジソンはそれで一攫千金を狙い、見事大当たりを引いたのだという。お陰様で二人とも空になったものを数倍にまで膨れあがらせて帰ってきたらしい。

それでも先に彼女に目をつけていた客が自分が彼女を口説いていたのだと声を荒らげるため驚いてしまう彼女だが、テスラは紳士的に薄い笑みを浮かべて一枚のコインを見せた。
分厚いカジノ用のチップなのかと思うが、純金のチップにはプレイボーイのウサギのようなマークが描かれており、エクレールがなんだ?と傾げると相手は知っていたようで、すごすごと悔しそうに引き下がった。

「なんですかそれ?」
「なんだバニーガールなのに知らないのか、これはカジノ・キャメロットの"バニーチップ"と呼ばれるアイテムで、換金難易度一位のものだ」
「へぇ……で?それがあるとなんですか?」
「指定したバニーを一日好きにできるらしい」
「それ何と交換したんですか?」
「私の先程勝ったチップ全てと交換した」

エジソンさんが持ってるものは?
あれは彼のものだ、私のはもう使い切った。

・・・
・・・・・・

「結局私バニーやめれないじゃないですか!!馬鹿なんですか?!普通そういうのは先に借金返してからでしょ!!」

バカバカバカバカ!!
アホアホアホアホ!!

エクレールは泣きそうになりながらテスラを叩くがテスラは気にせず近くのスタッフにバニーチップを渡すと、何かと引替えされたようであった。
エジソンはもう呆れたような顔をしつつも、まぁ一応はテスラの元に戻ったのだからこの後は働かなくてもいいと言ってくれたが、エクレールはそんな問題じゃないと叫んでいる間に、ふと自分が宙に浮くのを感じ、何かと思えば自分よりも三十センチ程は身長の高いテスラに抱えられたのだと気付く。

「博士なにしてるんですか?」
「バニーチップの権利を早速行使させてもらうとしよう、さぁ今からは私と二人の時間だ!」
「な、な、なんか嫌な予感がする!エジソンさん助けてください!」

エジソンさーーん!とエクレールがテスラにお姫様抱っこをされる形で連れられていくのを見てエジソンはなんとも言えない顔をした。
そして手の中のチップを見ては、もう一勝負楽しむかと空いていたポーカーの席に着いた。卓を見てみると槍のクーフーリン、岡田以蔵、モーツァルトが並んでおり、どうしてこうもまぁ幸運値の低い者がとなりつつも、ギャンブルとは勝敗があるからこそ楽しいのかもしれないと思いつつ、手渡されたカードをみてはチップを賭けるのだった。

◇◆◇

テスラは長い足で彼女を横抱きにしたまま、堂々とカジノを抜けて、エレベーターに乗り、廊下を歩いた。
自分のジャケットを片手で脱いでは腕の中の彼女に掛けてやるのは紳士的な行動で、それが出来るのになぜこんな事になったのかと思うのも束の間にテスラは先程チップと引替えに貰ったルームカードを入口にタッチさせるとドアのロックが解除されたのが聞こえて、彼の腕に抱かれたまま部屋に入ると彼女は「わぁ…すご…」と声を漏らすとテスラは羽のように優しく彼女を下ろしてやる。

カジノの上に上階にある宿泊用の部屋。
その中でもバニーチップを利用する客専用の部屋となったVIPルームはルーラー獅子王を彷彿とさせる、上品で清廉な部屋となっており、彼女はテスラのジャケットを手に持って部屋の奥へと先に足を進めた。
床は毛長の白いカーペットが敷かれてあり、広いキングサイズの整ったベッド、ロイヤルブルーとホワイトで統一された部屋の中は空気さえ心地よいが、反対に未だにバニー姿の彼女は少しだけ部屋の中で浮いてるようにも感じられる。

眠らない街ラスベガスの夜が見渡せる窓から外をみる彼女を眺めつつ、ウェルカムドリンクとして上質なシャンパンが置かれているのを見て、手馴れたようにコルクを開けると二人分の細いシャンパングラスに注いだ。
シャンパンゴールドの透き通る美しさと中に入っていた金箔がキラキラと輝いて、窓にべったりと張り付いた外を眺める彼女の横に並ぶテスラは彼女に片方のグラスを手渡すと、彼女は怒ってると言いたげにわざとらしく眉間に皺を寄せてテスラを見つめた。

「私怒ってるんですからね」
「分かってる、それには真摯に謝罪しよう」
「なんなんですかバニーチップって、普通借金返すのが先でしょ」

人のことを担保にするのはもちろん、本当に信じられませんよ。とプンプンと怒ってみせるが、ぴょこぴょこと動くうさぎの耳をしたカチューシャに視線が奪われて、テスラは手を伸ばして触れるがそれは彼女がどれだけ動いても外れる気配はない。何せ僅かな魔力が込められており、制服の乱れが起きないようにとされているからだろう。

「なんですか?これ外れないんですよ、着る時も魔術が掛けられてるのかサイズぴったりに調整されたし、ルーラーの獅子王さんがこんな人だなんて…あぁいえ、あの円卓の騎士の皆さんのせいですね」
「ふむ、しかしこうみると……」

じっくりと商品を見るように顎に手を添えて眺めてくるテスラはジャケットを脱いでいるが、その恰幅のいい体格はタキシード映えがよくするもので、ジャケットの下の黒いシャツに白いベスト姿はやはり絵になるものだとエクレールは彼の顔の造形も、タキシード姿も、体格も、全て内心褒めてしまう。
そんな彼にじっくりと見られると彼女は小さな期待を抱いてしまいそうになるが、しかしニコラ・テスラという男は彼女を助手と一方的に認めて、挙句の果てに一般職員から無理やりにマスターにまでしたような男だった。

「やはり君の身体は他のバニーガールと比べて随分と足りない点が多いようだ……ッ痛い!暴力は…脛はやめてくれっ」
「うるさい!本当!バカバカ!本当に交流スカポンタン!」

それまでの雰囲気も瞬時に粉微塵にしたテスラにエクレールはハイヒールのままローキックをテスラの長い足にしてやると彼は大袈裟に痛がることにウンザリしてしまう。
紳士のような顔をしたかと思えば、少年のようで、かと思えば真剣な大人の顔をして、本当に分からないと彼女がシャンパンを飲んでいるとテスラの手が腰に添えられて、優しく抱き寄せられると彼女も怒りきれずに雰囲気に任せて受け入れるように近付いた彼の整った顔にまつ毛を伏せて唇を重ねた。

本当にどうしようもなくて仕方ない人。

「本当に今日の博士は最低です、今後一切紳士面はやめてください」
「私は紳士だ、何故そんなに怒るんだ。君はまだバニーとして職務の時間だ」
「だからそれも本来日付が変わったら獅子王さんから許可もらって終わるはずだった……あぁもうっ!そんなんじゃなくて、本気で……スるんですか?」
「あぁもちろん、せっかくの機会だ、もちろん君が本当に嫌なら構わない」

エクレールはベッドの縁に腰掛けるテスラを見上げる形だった。
柔らかい毛足の長いカーペットの上で、テスラの足の間で膝を立てて彼を見上げた。
それはテスラからバニーチップを使って、バニーとしての彼女を"買った"ため、今晩楽しませて欲しいという内容だった。困惑と羞恥に断りたかったエクレールだったがテスラに優しく諭すように言われてしまうと言葉に出来なくなるが、視界に入る彼のスラックスは既に少しだけ形を作ろうとしているのがみえるため、彼は自分の見た目の話をしたものの、それはあくまで好みの話であり、実際には興奮していてくれているのだとも思えた。

マスターとサーヴァント。サーヴァントとスタッフ。博士と助手。そういっているものの、実際の二人はカルデアの中でも特別であることは周囲も理解しているものだった。だからカジノでバニー姿で駆け回るエクレールをみたサーヴァントなども口先だけで、下手な接触はしなかった。
触らぬ神に祟りなし。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてなんとやら。……などと言うが、実際ニコラ・テスラのパートナーに手を出そうものなら面倒なこと事この上ないのは理解してい。
つまり二人は恋人のようなものなのだ、口にはせずとも、テスラが作った簡易召喚や魔術回路を拡張させるような危険極まりないラピスラズリのブレスレットをつけた彼女とそれを贈ったテスラの関係がそうでないのなら、この世の恋人は恋人でなくなるだろう。

そしてなによりエクレールはテスラに結局弱かった。
愛想を尽かしていいことを何度もされていても、それでも許してしまうのは諦めだけではない。
テスラに頭に手を置かれて撫でられてしまうと、エクレールは彼の目を見つめては「……今回だけですからね」と困ったように告げた。

「失礼しますよ」

律儀にそういって、テスラのスラックスのホックを外し、ファスナーを下ろした。何処までするべきかと思いつつも腰を浮かせた彼がスラックスをずらすと、普段と変わらないシンプルな下着が見えて、そこは先程よりも膨らみを増しており。彼女は緊張しつつも下着をずらして気をつけるようにしてる取り出した。

「さぁ観測してくれるのは構わないが、あまり焦らさないでくれ」

エクレールは目の前の彼の昂りをみつめた。彼のモノを明るい場所でじっくりとみるのは珍しいことこの上ないが、彼がここまで素直に反応しているというのは嬉しいやら恥ずかしいやら、という気持ちなのだ。

テスラの言葉に彼女は不慣れながらも手を添えて優しく先端にキスを落としてみた。不快感のある香りや味はしない。人の皮膚と熱の塊だと思いつつ、その手の中のモノにキスを落としていくと、次第に先端からは透明のカウパー液が滲んで頭を大きな手で優しく撫でられる。

それが合図のように口を開けて、彼の避雷針のような昂りを招いては、出来るだけ奥へと飲み込んでみせるが、根元までは飲み込み切れずに根元に添えた手に自然と力が入る。

「……ぐ」

彼の吐息が薄く漏れて、彼女は頭や手をそれぞれ機械が動くように上下させるとテスラの内腿に力が入るのがわかる。
彼女は頭上で聞こえる彼の声を聞きながら、僅かに苦しく思いつつも口から外してキャンディを舐めるように大胆に舌を這わせたり、反対に下から彼をみつめては唾液に濡れたソレを手で扱いてみたりとしてみせる。

「博士、今日はいつもより興奮してますね♡」
「…ッ、随分な物言いだな」

黒い大きなうさぎの耳が揺れて彼の身体に触れる。
足元で大胆な格好をした彼女を見たテスラは自分が想像するよりもずっと興奮していることは理解していた。たかだか衣類で……という考えは彼女と過ごす中で薄くなっていた。カジノへと出向いた際の揃いの白いドレスでさえ、本当は乱したかったのだから。

それが今や下品極まりない、男の情欲を駆り立てる為の衣装に変わったのだから、彼は素直に男として興奮を持たざるを得なかった。
人間の本能や心理というものはバカには出来ないことくらい、この天才も理解している。
自分の足の間で普段とは違う格好で、興奮している恋人を前に隠しきれない熱を宿した子うさぎも、また例外に無く、本能を刺激されているのはテスラの目には見えていた。
奉仕をさせることは滅多にないが、それでも彼女は珍しく足の間でテスラを可愛がることに随分と楽しそうにしており。彼は激しくなるその行動に熱が上がるのを感じながらも自信を持とうとする彼女に本来のバニーとして立場を教えてやらねばと思い、頭に手を添えるとぐっと押し付けてやった。

「んぅッ♡」
「少し手荒くさせてもらうぞエクレール」

腰を軽く揺らして喉奥まで咥えた彼女に少しだけ乱暴にしてやると、彼女の身体が強ばったが拒絶ではないことを分かっている。
息苦しそうな彼女のくぐもった声と目頭に滲む自然と溜まった涙を浮かべる彼女がテスラの太ももに手を添えて掴むため、彼はゆっくりと行為を止めて抜いてやると、口元の汚れた彼女がすっかりテスラに支配された顔を浮かべる為、彼は頬に手を添えて腰を曲げては汚れた唇を重ね合わせた。

「これはまた随分と大胆な格好ではないか」
「……ッ、この服はそういう仕様なんです!」
「つまり君はあの場でこのレザー以外何も無かったということか」
「しかたなっ…ぁ♡い、じゃないです、か♡♡」

くちゅ…と広いベッドの上で四つん這いになる彼女の足を開かせたテスラは際どいカッティングをしてある、ハイレグの形をしたバニースーツの隙間をずらすと、本来はあるはずの下着がないことを言いながら分泌液で濡れたその場所を観察するだけで、奥からトロリと粘液が溢れるのをみては、いかに彼女が興奮しているのかがわかる。

「普段の二倍、いや三倍は濡れてるんじゃないか?興奮しているのは私だけではないじゃないか」
「ッ♡それ…は、博士が♡♡あッッ!んぅ…♡」
「私の指も二本から挿入出来たぞ?それに随分と入念に"手入れ"されてるようだ」
「ち、が♡♡ぁっ……ッ!アッ♡だめ、っ♡いき、なりそこっ、は♡♡」

手袋を外した長い彼の指が後ろから侵入すると今晩は容赦がないように普段とは違い最短で弱い場所を中指と薬指の二本で攻め始め、彼女は大きな白い枕に顔を埋めてされるがままに受け入れた。
器用にバニースーツの下半身のクロッチ部分をずらされると黒い布から現れた彼女の雌の場所は普段の薄い茂みを丁寧に草刈りされたかのように処理されてしまっており。テスラの目の前には覆い隠してくれるもののない雌穴を晒したバニーが震えているだけだった。

「自分で処理をしたにしては生えてないかのようだが、もしやほかの者に?我が助手ながらそれは許せないことだ」
「あっ♡あっ♡ごめ…なさ、ぃ♡♡でも、博士のっ…せい、でしょ♡♡」
「君を働かせたのは私の責任かもしれないが、そこまでは許可していない。次回からは私を呼べ……いや、私にさせてくれ」

実に興味深いと言ってテスラが中指で彼女の小さな前方の突起を撫でると彼女の太ももが震えて四つん這いの姿勢が崩れそうになるものの、テスラはその都度「力が抜けてるぞ」と窘めるようにいうため、すっかりと彼に飼われたうさぎの彼女はどうにか快楽に抗うようにと姿勢を正すものの、テスラは容赦なくその指で彼女を見下ろしながら責め立てた。

スイートルームの広い部屋の中、女の甘い声と粘着質な水音が混じりあい、彼女が限界を迎えて甲高い声を上げて震えてもテスラは止めることはない。いつもの事でありつつもエクレールは足が震えて体制を崩そうとも彼は手を止めないどころか、もっとと言うように責め立てるため、彼女は枕を強く握りながら鳴いた。

「はーーっ♡ぁっ……♡はか、せ♡も……イけな、ぃの♡♡」
「なに?まだ問題ないはずだ、しかしシーツもその衣装も随分と汚してしまったようなのと、私もそろそろ限界だ、堪能させてもらおうか」
「あっ……♡はか、せ♡♡」

寝そべった彼女はようやく本番かと期待するのも束の間に、テスラはネクタイを緩めシャツのボタンを外しスラックスの中のものを晒したまま広いベッドに横たわるため、エクレールは互いに寝そべることに何事かと目を丸くした。
しかしテスラは平然とした顔をして隣に寝そべる彼女を見るなり、普段と変わらぬ表情で自分の膝を叩いた。

「君は今晩私が買ったバニーガールだ、主人に尽くすのが本来の仕事だろう」
「……それはつまり」
「乗りたまえ、そして腰を振って淫らなバニーとして私を楽しませてくれ」
「……ッ博士!あなたって人は」
「あのまま他の男に触れられたままでよかったと?」

あまりの言葉に彼女が起き上がり寝そべるテスラを睨みつけてみるものの、彼はベストに潜ませていたカジノで使用するチップを取り出していうものだから、彼女はどれもこれも全て彼のせいなのにと文句を言いたかったが、それでも彼なりに助けてくれたことも事実であると言い聞かせた。

「テスラ博士……あなたって本当紳士ですよねッ、おぼっ、えててくださいよ♡♡」
「あぁエクレール、ッ……素晴らしい吸収率だ」

テスラの腹部に手を添えたエクレールはバニースーツのまま彼の上に跨り、その避雷針の如く鋭く立ち上がったモノをすっかり熟された己の内に招き入れた。身長も高く体格もいいテスラのモノを受け入れるのは日頃から簡単では無いが、それなりに重ねた行為は慣れてきたものだったはずだ。
それでも自らが上となった時には、全てを受け入れる形となり、まるでカエルのように足を大きく開いた彼女は彼のモノを最奥まで受け入れては息苦しさに深い息を吐いた。

「はか、せ♡♡」
「ほらウサギのように跳ねたまえ」
「わかっ、てますよ♡急かさないでっ♡……ま、って♡あっ……♡♡」

全てを飲み込んだあと少しの間、息を整えていたはずの彼女にテスラは珍しく待ての出来ない男のように下から急かすように腰を揺らすため、彼女はうさぎの耳のカチューシャを揺らしては彼を困ったように睨みつけては腰を上にあげた。
ズルズルッ……とテスラの長いソレが彼女との繋がりから抜けたかと思えば、腰が下がり奥に仕舞われてしまう。真っ赤になった彼女は既に馴染まされたその場所でスムーズに受け入れてしまうと、腰が進むのも滞りない動きへと変わるが、重たい快楽に飲まれた声が収まらなかった。

「あ"ッ♡ぁ"ッ♡♡はか、せ、きも…ちいい?♡♡」
「全く最高の光景だ、もっと魅せてくれ」
「っ、はぁ♡あっ…ぁあ"!!♡」

次第に大胆に激しくなるエクレールの理性が溶けるのを眺めつつ、彼も下から腰を支えて強く突き上げるとより大きな声が出る。それは羞恥と快楽の実験のようであり、うさぎを貪り食う気分にもなった。
次第に互いの理性が薄れると、テスラは彼女をベッドにうつ伏せにさせて、腰を掴むと力強く奥まで叩きつけた。光沢感のある漆黒のレザーのバニースーツと彼女の肌のコントラストも、普段の真面目で苦労人の彼女と違う姿も、全てがテスラに蓄電されるように欲望が溜まり、溢れてしまう。

人の肌がぶつかり合い、テスラはいつの間にかスラックスとベストを脱いで、シャツとネクタイの姿のままで彼女を後ろから激しく揺さぶり。彼女もその細腰を変わらぬ姿のままで抱かれて、テスラの大きな手が網タイツ腰の臀部を掴むと荒々しく形を変えてしまう。

「ん"ぅ"♡♡あ"ッ♡あ"っ♡はか、せ♡にこら♡♡きも、ちぃの♡♡」
「先程よりも君のいいところに当たるからな、にしてもこれではまるで交尾のようだが」
「こーび♡♡こー、うびでいい♡ニコ、ラの、すきっ♡♡」
「エクレール、君は本当にこれだから……私以外の男に買われてたらどうしたものだったか」

シーツを必死に掴んで自分の名前を呼びながら好きにされる彼女を狙う男たちを見ていたテスラにとって、なんだかんだと流されがちになる彼女に対しての心配はどうしてもあった。

「ニコラッ…♡♡イック、イッちゃうから♡♡♡」
「あぁイくといい、私はまだだから付き合ってもらうがな」
「あ"ッ…♡あ"っ…♡だ、め♡♡〜〜〜ッ♡♡」

バチンバチンと肌のぶつかる音が響き、彼女の声が上がるとテスラは強い締め付け感を感じつつもやめることはしなかった。
せっかくの彼女を堪能しようと、日頃から彼が果てるまでは付き合わされ続けるエクレールにとって、その日は随分と長いと感じた。上に乗せられ、後ろから責められ、足を大きく捕まれ広げられて。
まるで捕食者に蹂躙される獲物のうさぎの気分だった。

「も…う、む……り♡やだっ…イケ、ないの♡♡」
「私はまだ一度も果ててないのだ、付き合ってもらわなくては困るぞエクレール」
「や、ぁ♡♡あ""ッ、それっ♡ダメッ…ーーッ♡♡ゆる、して♡♡」
「全くワガママなバニーガールだ、チップをやるから最後まで付き合ってくれ」

そういって彼は脱ぎ捨てたスラックスのポケットに入れていた紙幣を彼女の胸にねじ込むと「さ、いてっい♡♡」と罵られるのの、テスラはカジノの醍醐味だなと満足そうにして、腰を深く沈めて、顔を寄せると舌を絡めて、うさぎを貪りながらその左手の彼女と自分を繋ぐ令呪とカフスの下に隠されるようにある、テスラの所有物である。というようなブレスレットを撫で満足そうに微笑んだ。

夜は長く、外は綺麗な満月で、まさにバニーを食すには丁度いい夜だった。

翌朝、テスラがカジノ・キャメロットの外で待っているとエクレールがカジノから怒ったような顔で出てきた為、テスラはどうやら無事に契約満了の上、バニーガールではなくここに来た時の純白のドレスで、テスラのタキシードと揃いのような格好だった。

「全く本当に散々ですよ!」
「いい思い出だったじゃないか」
「そんなわけないですよ、全く今後はギャンブルは絶対禁止ですからね!」

自分のできる範囲のみに留めてくださいよ。と強く吠える彼女にそこまで怒らなくてもとテスラが内心思いつつも怒りきった彼女を宥めるように「すまなかった」と口先だけの謝罪をしてみると、やはり眉を釣り上げた彼女がテスラをジッと睨んだあと、小さく呟いた。

「本当はあの後夜景を見ながらラウンジで少し飲んで……二人きりで過ごしたかったのに」
「なっ、それは私は聞いていなかった!聞いていたらあんな真似は、よし!今晩もう一度やり直そう!
「言うわけありませんし、やり直しません!もう今日は帰る日なんですから!」

全くと怒る彼女が先を歩き始めるため、テスラは慌てて追いかけては彼女の横に並んで怒られては機嫌を伺う犬のように彼女に声をかけるがスタスタと先を進んでしまい、どうにか機嫌を直してもらい、正しい時間を過ごしたいと願いながら必死に褒めてみた。

「バニー姿の君はとてもよかった!」
「……〜〜ッ!もう知らない、博士のバカ!今度は博士がバニーガールになったらいいんですよ!」
「な……何故怒られるんだ。というか私が着たらバニーボーイだろう…々いやそうじゃない!待ってくれエクレール!!」

もうしばらくはラスベガスなんてこない、特にカジノなんて!とエクレールは内心嘆きつつ、一番怒りたい相手に怒りきれずに逃げるように足を進めた。本当は少しだけ、あの時間も悪くなかったと思いながらも、そんなことは絶対に口にはせず、帰り際に記念品としてルーラーの獅子王に渡されたバニーチップについてはしばらく恨みがましく感じるのは当然のことだった。

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