久方振りにみえた衛星基地デブリにリアンは歓喜の息を吐く、辛気臭い格納施設でもあるこの場所が安定して居られる場所であった
この回収作戦が来るまでレッカーズの活動は殆どなかった、地球に赴いた時もリアンは残念ながら念の為にキミアに預けられてしまい暇をしていた、前線には出ずとも船の操縦後方支援等様々なことが出来るのだからたまには連れて行ってくれてもいいのにと彼女は思いつつも中々心配性の彼らからの許可は出なかった
「ふぅ〜久しぶりのこの空気最高」
「ほらリアン、忙しいからいくぞ」
「先に行かないで、パーシーだけじゃ持てないから貴方も持ってって」
「何だこの荷物!多すぎるだろ」
「大丈夫、全部使えるようにしてあげるから」
愉しそうに笑う彼女はキャリーケースのみを片手に行ってしまいその背中を見てスプリンガーは肩を竦めれば隣に立っていたパーセプターはリアンのあんなに明るい顔は久しぶりだな。と零した
あぁそうだずっと"あの日"から彼女の笑顔は消えてしまったと言えるほどだ、どんな理由であれどスプリンガーは今は喜びを感じながら歩き慣れた我が家のようなその基地内に足を進めた
あれから数日後やはりローターストーム・パイロ・ガズル・スカイフォールの4人で仲間たちも満場一致の末推薦状を送ったスプリンガーは不満を顕にしつつもリアンにボディの洗浄を頼んだ
「有り得ないだろう、どうしてあの3人は良くて最後だけ…何が気に食わねぇんだ」
「もう同じことばっかり言って怒らないでよ、ほらそんなに動かれたら細かいところ洗えないよ」
「ああ悪い、だけどリアン」
もう耳にタコが出来そうだと言わんばかりにリアンは呆れた顔をしてしまう
それもそのハズ、スプリンガーがプロールに送った推薦状は受理をされたかと思えば1人だけ拒否されたのである
そしてその4人目が誰なのかというのはまだ決まっていないが大方彼の知り合いでも入れてくるのだろうと安易に想像ができスプリンガーはまたそれに腹を立てるもののリアンは緩く宥めるしか出来ずスポンジを彼の眩いほどのライムグリーンの車体に滑らせる
「こう考えようよスプリンガー、スカイフォールは"助かった"んだって」
レッカーズに来るということは即ち死を意味しているといっていいだろうとリアンはいうのだ、スプリンガーも内心は補充などしたくはなかった、自身の手で選んだ兵を荒地に立たせてそのスパークを意図も簡単に散らさせるわけなのだから喜んで選べるものでもない。だからこそ出来うる限りレッカーズとして活躍できそうな屈強で経験がありいい意味で無鉄砲な存在が必要だった
「…そうだな、悪いリアン」
「謝らないであなたの気持ちは私もわかるよ、ほら次はオルトモードになってね」
「そこまでするのか?」
「だってもう随分としてないんでしょ、整備士として腕は誰よりもいいつもりだから安心してよ」
レンチを片手に笑う彼女にどうやら今日は1日解放されないらしいなと察しながら先程までの苛立った気持ちもどこへやらスプリンガーは洗浄室で子供のように声を上げるのだった
ふぅ…と大仕事を終えたリアンはシャツを着替えながらスプリンガーと洗浄室から出たと同時にスプリンガーにパーセプターから通信が入る、どうやら待ち遠しかった助っ人がようやく到着したらしく足元にいる彼女に伝えればぱぁ…と花が咲いたような表情になり彼を急かすように声を掛けた