部屋から出てきたインパクターに丁度廊下を歩いていたベリティは彼と顔を合わせる、リアンとは異なる人間の女に驚きつつも彼女はウルトラマグナスの相棒だと自己紹介をした

「リアンの…恋人?」
「そんなわけないだろ、冗談も休み休みにいってくれ…アイアンフィストってのはどこだ」
「彼なら談話室にいるけど、だってインパクターだっけ?あなたの話をする時のリアンって」

ベリティは興味本位でインパクターに話しかける、人間というのは恐れ知らずなのかと大抵初対面の相手には僅かに怯えられる彼は感じながら見下ろした、ベリティは奥の部屋で話をするウルトラマグナスが地球に戻るという話を聞き有り得ない。と言いたげな顔をしたがインパクターは続きを求めた、そんな彼の態度にあぁやっぱりね…と思いながらベリティは口を割る

「とても愛おしそうな顔をしてたから」


べリティ・カルロがリアン・マラカイトに出会ったのは8ヶ月前
ウルトラマグナスに連れられレッカーズと合流する際に君よりも年上の女性がレッカーズに所属しているといわれた、どんな人なんだと問いかければ果敢で強い心があり素晴らしい科学者だと彼は珍しく語った、彼があんなに人を褒めるということは相当な人格者なのだと察した

「はじめましてベリティ、私はリアン・マラカイト…気軽にリアンとでも呼んで」

優しく微笑む彼女にあぁ彼女は人に(人どころかトランスフォーマーにさえ)好かれるタイプの人間だと即座に感じとった、優秀な科学者でありながらも人格者で立場をよくわかっている、特にスプリンガーとは旧知の仲のようでまるで2人は親子や恋人のようにさえ感じられた

「ねぇリアンって好きな人いないの」
「ええ?好きな人って…こんなおばさんがそんな」
「まだ38でしょ」
「もう38なの、私がオートボットに来た時は15歳だよ?23年も経ってるし40になればいよいよ人生もエンドロールが流れ始めるの」
「なっがいエンドロールだね」

てっきりスプリンガーと"そういう仲"なんだとおもったと素直にいえば彼女は機械をいじる手を止めてベリティをみた、綺麗なキャメルブラウンにアーモンドでも混ぜたように輝く瞳が見つめた時、本当彼女って綺麗な瞳をしているなと実感する。

「有り得ない!スプリンガーだよ…スプリンガー、彼は…友達っていうかもう多分家族だね、兄妹みたいな、みんなそう、レッカーズは家族なの」

慌てて否定する彼女は家族を強く主張するものだから家族でも血が繋がっていないとそういう風に発展する時はあるけど?と意地悪をいえば普段の大人びた彼女が唇を噛み締めてベリティをやさしく睨みつけた、どうやら観念したな?と勝利の笑みを浮かべて真実を求めた

「いるよ…ずっと、好きな人」

もう逢えないと思うし、こんな気持ちをもう20年以上持ってるの…重たいよね。と悲しげに呟いた
彼女の表情は美しかった、恋をする女性は綺麗だというがベリティはそんな顔を浮かべさせる見知らぬ存在が羨ましくて堪らなくなった、別にリアンに恋心を抱いている訳では無いが単純にそんな顔が出来るほど想い合える存在がいることに感動を覚えたのだ

「向こうはどうか分からないけど、傍にずっと居たの、2人で知らない星を探索したりしたし眠れない夜は彼の話を聞いた…レッカーズってだいたい皆あぁいう性格だから大袈裟なくらいに話するのよ、でも面白くっていっつも寝る前に絵本をせがむ子どもみたいに彼に求めたの」

レッカーズにかつていたメンバーなのだと知りつつベリティはその話を真剣に聞いた、ずっと姉のような母のような彼女がうら若い乙女-少女-のように頬を赤らめて話すのだ
彼女はウェーブのかかった綺麗な髪を耳にかけて

「多分死ぬまでずっと好きなんだと思う」

そういって太陽のような笑顔をみせたとき、あぁ恋って凄いんだとベリティは薄っぺらい感想を抱いたのだ。

兎に角アイアンフィストに早くあって腕を治してもらったら?確か彼、リアンと特別仲が良かったみたいだし、彼に話を聞かせてもらうのがいいわとベリティは過去のリアンとのことを思い出しながらインパクターにそう告げた

「あぁそうする、有難うベリティ」

なんだ案外素直な男じゃないかと彼女は廊下を走り去る、ウルトラマグナスにはごめんなさいと謝った私はG-9にいく、そして生還した暁にはあの二人をくっつけてやろうと彼女は考えるのだった。



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