アイアンフィストってのは誰だ。といわれドアが開いた時彼らの全神経回路が一時停止をした、呼ばれた本人は震える声で俺です。と答えれば彼は右腕を見せるものだから納得してメディカル・ラボに向かった
ヴォス要塞でみたインパクターの姿をアイアンフィストは忘れたことは1度もない、あの一件以降はデータが主なレッカーズの元リーダーをはじめて至近距離でみたことに彼は興奮をどうにか隠そうとした

「あー、どうされますか?ドリル?銃?剣?それとも使い慣れた銛にされますか」
「あぁ銛で頼む、俺のことは知ってるか?」
「そりゃあ当然です」
「なら悪いが元の右手になるようにしてくれ、フック付きのタイプだ」
「分かりました…多少時間がかかるかもしれません」

大丈夫だとインパクターは告げながらその右手をアイアンフィストに差し出した、G-9にいる中でショーの数々に駆り出されそうになり何とか自身の独房に戻ったが正直機体の状態は良くなかった
ようやく腰を落ち着けられたと思えば自然と彼の緊張もほぐれる中でアイアンフィストをみた、優秀な科学者だという彼はすぐ様サイズを測り様々な道具を見繕ってはどうした物かと考えた

「キミアに勤めていたらしいな」
「え?はい…」
「あいつと仲がいいのか」

低い心地よいインパクターの声はアイアンフィストの聴覚回路に触れる度に興奮状態にしているが"あいつ"といわれた事に冷静になる、きっと彼が聞きたい存在はただひとりでアイアンフィストは…リアンですか?と恐る恐る問いかけた
インパクターは何も返事をしないため、彼女との出会いやキミアでの生活を話した、相槌も何も無いが話を続けろというような視線を感じてアイアンフィストはキミアでのリアンとの日々を語る

最初の1年目は関わりがなかったものの直ぐに優秀な科学者だとブレインストームがある日話しかけてきた、興奮気味にアイツは分かってるから俺の助手にしようと思うといっていたのに翌年には何故かレッカーズにいってしまいキミアで彼女に好意的だった連中は皆惜しんでいたと

数年振り(レッカーズでいえばポヴァでの1件後)に戻ってきたリアンは凄く荒れていて心身共によくない上に大きなミスをするから危なくてラボの使用禁止まで言い渡されてしまい、キミアを自宅にしつつも雑務ばかりをこなしていた。はじめて彼女に話しかけた時とてつもない嫌味と冷めきった目を向けられて悲しみより苛立ちがきてしまったのを後に彼女に言えば「私も悪かったよね」と笑われた

それ以来彼女とは上手くやって良き友人になった、キミアでの生活も慣れてきて10年程で彼女を迎えに来たスプリンガーの手でレッカーズに戻ったがその後もよく連絡を取るし何かと研究の助けをしてもらった
種族の垣根などなく彼女はとてもいい友人です。とアイアンフィストが語り追えると同時に右手にはピッタリと武器が着けられた

「そうか…いい話だった、お前物書きにいいんじゃないか?」

右手を何度か確認しながらインパクターは立ち上がり口端を持ち上げてそういった、アイアンフィストは自分がフィジトロンだとはインパクターにはいわなかった…だって彼は読みそうにないから
去っていく偉丈夫の背中を見つめ、どうかリアンがインパクターと…と願う、もう悲しむ友人の顔など見たくない、人間の命は彼らからしてみれば瞬く間に消えてしまうから



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