「それはダメだ」
「ダメもクソもないから、あなたが行くんだったら私も行く」
「あの小僧は許可したってのか?」
「するはずないからプロールに直談判して許可を貰ったの」

リアンのラボになった部屋に備え付けられたトランスフォーマーサイズの椅子に腰かけたインパクターは向かいのテーブルに彼女を置いて話をした、あと1時間だと言うのに2人は激しい口論をはじめる
当初はインパクターを救出する為だけではあったが条件にエクイタスの回収を頼まれていた、今ではそちらがメインになっておりウルトラマグナスにも数度その依頼について説明されリアンは嫌気がさしそうな程だった

「別に他の奴でいいだろ」
「そうはいかないの…」
「万が一があったらどうする」
「それはあなたもでしょ」

リアンはふとテーブルの上に置いていた長方形の箱に気付きバレぬように直そうとするが目敏く気付いたインパクターはすぐ様奪い取り、リアンを睨みつける箱には親切丁寧に"タバコはあなたや周りの人の体を害します"という文言記載していた、彼女は顔を背ければインパクターは低く唸るような声を出す

「どういうことだ」
「タバコは二十歳から大丈夫だから」

彼の言わんことを理解していながら逃げるような発言をするリアンにインパクターは苛立ちを隠せず右手で椅子を傷つければウルトラマグナスの船だからやめてよ。と彼女は伝える
彼は長方形の箱を片手に画像検索をして成分表を見てさらに口元を引き攣らせる、合法ではあるが彼らの用語で言えばサーキット・ブースターのようなものだ

「やめろとは言わねぇがテメェの身体くらい大事にしろよ」

インパクターには彼女の辛さなど理解は出来ない、それ故に責め立てることは出来ずそれ以上の言葉を伝えることは出来なかった長方形の箱を彼女に手渡せば彼女は直ぐにゴミ箱に投げ捨てるため思わずどういうことだと言いたげな視線を投げる

「もう会えないと思ってたから吸ってた、でも…もう要らないから」

タバコ臭いかもしれないけど…と付け足す彼女にそんなことはないとおもいつつも口には出さずに彼は椅子に肘をついて口元を隠して顔を背けた、どうしてそうこの女は嬉しそうな顔をして話をするんだと聞いてやりたいものだ
互いに何をしてたか、どうしてたか、何を想っていたのか
そんなことは口には出さなかった、互いの気持ちを理解しながらも2人は男女としての言葉をいわない、あと30分で到着するというアナウンスにインパクターは立ち上がり部屋を出ようとするときリアンは彼を呼び止めた
インパクターは振り返ればリアンはその瞳で真っ直ぐと彼を見つめている

「無事に帰ってきたら…言いたいことがあるの」

やはり何も変わっていない、赤らんだ頬やはにかんだ顔照れた時に髪をいじる癖、インパクターはその言葉を聞いて 俺も言いたいことがある…と
言葉を返し彼は出ていってしまう
ようやく1人きりになった部屋の中でリアンは顔を覆いながら座り込む

「…好き」

まるで初恋をしている子供みたいに溢れた感情を口に出したがその言葉は誰に届くことは無く部屋の中に消えていくのだった。




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