「予備燃料とリアンの武器があってよかったな」
「おかげですぐ空になりそうだけどね」

パーセプターとリアンが話をする中トップスピンは次はどうするのだと声をかける、目的はひとつエクイタスである為南棟に向かう旨を伝え移動しようとするもパイロはアイアンフィストの様子が良くないことを伝えた
リアンはパーセプターを見上げて「私が…」と声をかけた

「フィズ…怖かったのよね」
「万が一あそこでリアンがしなかったらローターストームは」

パイロの腕に抱かれていたローターストームはまだ意識は戻っていない状況である、リアンもこれ以上は放置できないことも分かっていた、そしてアイアンフィストがこうなることも想像ができていた、彼は戦士でも兵士でもないただの夢見る科学者なのだ
リアンとて同じ気持ちを味わったことがある、それでもパーセプターは彼に対し冷たくも出発を告げるものだから興奮したアイアンフィストはレッカーズの理想を語った、あまりの彼の態度に苛立ちを感じたトップスピンはアイアンフィストに殴りかからんとばかりにまくし立てる

「パイロ、ガズル、ローターストームは俺達が選んで入れた。だがお前は、上から押し付けられただけだ!お前はな、ただの居候なんだよ!」

死に意味なんかない、ゲームとは違うんだ!折り合いをつけろ!
そうさけぶトップスピンの気持ちもリアンは理解していたレッカーズはそういうものだ、かつてインパクターはいっていたレッカーズは核オプションだと「通常兵器で効果がない場合、俺達が敵に向かって投下される」のだと説明した時を覚えている、あの言葉は真実でしかないレッカーズはまるで銃弾の1つのように撃たれてはその場で散るのが主である
だがしかし死を受け入れられた訳では無い、2人の言い合いにリアンはもういいから…と声をかける

「二人共の意見はわかった、でもこれ以上ゆっくりできないローターストームの修理もしなきゃならないしエクイタスの探索もしなきゃダメ…更にはオーバーロード、私達はこんなことしてる場合?いい加減にして」

怒気を孕んだ彼女の声に全員が固まった、彼女が怒ることなどない為だろうアイアンフィストもトップスピンも彼女の声に落ち着きを取り戻し謝罪をした

「任務遂行を…目指しましょう」

どうかみんなが無事で生きて帰られるように…とリアンは願った
パイロにローターストームを抱えてもらいつつリアンはディセプティコンのいない静かな部屋をみつけては彼を置くように頼んだ
左エンジンと僅かに顔を負傷した彼をじっくりとみつめてこれくらいなら…とリアンは考えた

「ここなら大丈夫そうだね…みんなは悪いけどエクイタスをお願い、パーセプターこれ」
「通信機か?」
「ええ、それしか無いから壊さないでね…スプリンガーに預けた方は案の定壊してくれてるし」
「どうか無事で戻ってこい」
「…貴方たちもね」

残された部屋の中でリアンはローターストームをみつめる、大きな損傷は左エンジン部ではあるもののピンク色のバイザーと彼の頬から人間でいう耳に近いあたりも僅かに撃ち抜かれていた
リアンは腰につけていた医療キットを取り出してあんなに騒がしかった筈が静かになってしまったローターストームの傷口を眺め持ってきていたバックパックの中からエナジョンを1パック取りだし漏れだした彼の聴覚センサー付近のオイルを止めつつ、輸血パックのように保存しているエナジョンを注入する
戦場で出来ることは限られているがローターストームは死ぬという訳では無いのをリアンは医者では無いがラチェット達に教えられた知識の元で理解していた、レッカーズを守る為…生かす為に必死に得た能力である

『リアン…お前は短い命なんだから、長く生きろ、レッカーズなんて…俺達なんて気にせず生きるんだ』

その言葉をいった相手はひとりじゃない、みんなが彼女に伝えた彼らからしてみれば100年生きたら長いといえよう人間はまるで星の瞬きのようなものでしかない
それでも彼らが良かった、彼ら以外の仲間はいないとリアンは誰よりも思い続けた、ローターストームが目覚めなくてもいいただ生きているのならばいい…目覚めればまたこの戦場で戦うしかない、だが目覚めなければどうなるかも分からないリアンは悩みながら今出来うることをやり遂げて割れた彼のバイザーを撫でた

「起きて、ローターストーム…貴方の飛行姿を私まだちゃんと見てないんだから」

そういうと同時にオプティックが光を宿す、バイザーの内側にあるオプティックはバイザーよりも薄いピンク色に光った

「天使が俺を迎えに来たか?」

口元を弛めて笑う彼はそういう為にリアンは自然と笑みが零れた

「バカ…私の事分からないの?」
「わかるって、俺の恩人だリアン」

彼はその機体を起き上がらせリアンを抱き締めて感謝を述べた
そして口角を上げた彼はリアンに向き合って歯を見せていつも通りの姿でいう

「第2ラウンドだ」



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