その頃…スパーク摘出チェンバーにてスプリンガーはまだ自身が生きていることを驚きつつ目を覚ました
彼の声に気付いたインパクターは彼がオフラインになっており、ツインツイストはまだ気絶したままであることを伝えた
見当たらない彼らのホスト、ストーカーの姿に問いかければインパクターは更に愉しくなるだろうと嬉しそうに道具を探しに行ったのだという、その一連を知っている彼にスプリンガーはお前には拷問も通じないのかと問いかけた、インパクターは静かに慣れただけだと答える。

「慰めになるかわからんが、お前はリハビリ施設に送られるはずだった…あるいは開放型刑務所に…」

スプリンガーの言葉にまるで着火剤に火をつけられたかのごとくインパクターは憤怒した、なんせ決定的な証言はスプリンガーのものであったのだ
ディセプティコンがレッカーズ殲滅に何世紀をかけてきたことか…それを彼は蟻を踏み潰すかのごとく行ったのだ、彼の怒りを受けながらスプリンガーは何故スパーク摘出という慈悲を受けなかったのかと問いかける

「そんな事をすりゃ、自分の過ちを認めた事になるだろうが。脅威レベル9の犯罪を犯したなら別だがな」
「罪を認めないと?」

スプリンガーの発言にインパクターは何も言えず口を閉ざしてしまう、彼の言葉は的を得ていた長い年月の中で後悔こそなかったが罪であるとはあの日のリアンの声を聞いては思い出すのだ
決してスプリンガーを憎んでいる訳では無いという彼に対してスプリンガーは互いに許したいと思っていながらもオートボット規定のあらゆる条約違反をしたと認めない限りそれは出来ないとも伝えた
ふと意識が戻ったツインツイストはそんな2人に議論をしている場合では無いのではないかと掠れた声で呟いた、その声と同時にドアが開き我らがホスト…ストーカーは片手に鋭利な刃物を付けた拷問器具のような内視鏡クローと呼ばれる道具を持ち笑いながら部屋に戻ってきた。

「ウケるよな、オートボット。ちょうどオレも同じことを考えてたぜ…さぁて、そろそろ死人の一人も出すかな」


「もう少し早くして!多分もうすぐなの信号が近くなってるから」
「話を聞いて、敵から逃げながらだぜ?勘弁してくれよ姐さん」
「そのあだ名やめてよ、私あなたより年下なんだから」
「ははっそれもそうだがレッカーズの歴は長いだろ」

ディセプティコンの大群をどうにか巻きつつリアンとローターストームは走った、ふと彼の腕から降りてバイクのようなものに乗る彼女に声をかけた

「てか最初からそれあるならそれ使ってくれない?」
「変形させるの大変なのよ」

てかそれどうなってんの?とローターストームは問いかけるとリアンは彼は本当に質問好きだなと思いつつ変形コグを不要とするモノフォーマーから無料摘出する代わりにもらいそれをスカイスレッドに転用しバックパック兼バイクにしたのだといった、それは違法ではなかったかと思うものの戦場で役に立っているのだから気にする事はないかと思いその背を追いかけ続ける
ふと彼女の腕のGPSをみてみれば自身の居場所とスプリンガーの居場所が被る、ドアにはスパーク摘出チェンバーと記載されておりいい名前だと彼女は微笑みローターストームをみつめれば彼も嬉しそうに微笑んだ

「お邪魔しますよ」

そういってローターストームがドアを蹴破ればそこには拘束された見覚えのある三人がその場にいた、そして今にもツインツイストの顔を突き破らんとする拷問器具を見てローターストームは即座に狙い打とうとするが先にリアンが背中に携えていた銃でストーカーの手の甲を撃ち抜いた

「おいおい、どうなってる?客人が来やがった…それも面白そうな人間までいる、お前はオーバーロードの土産だ」

お断り。とリアンがいう前に背後から銃弾が飛んでストーカーを撃ち抜いた

「前言撤回だ、スネア…お前さんの言う通りだったぜ!」

ガズルとカップがディセプティコンのスネアを連れてやってきた、形勢逆転だとリアンとローターストームもスネアを撃ち抜くが彼は当然無抵抗とはいかずリアンを狙い腕の銃口を彼女に向け撃ちは放つ

「リアンッ」
「私は平気!スプリンガートドメをお願い」
「あぁ喜んで」

カップが即座に三人の拘束具を取り払い、スプリンガーは床に落ちた内視鏡クローをストーカーの頭に打ち込んだ、随分負傷しているツインツイストの拘束具を外しながらリアンはトップスピンも同じく苦しんでいたはずだと思い途端に心配になってしまう

「ナイスタイミングだよリアン」

彼女こそ女神だとトップスピンは思った、いつだって逆境を切り開くのは彼女でレッカーズは彼女を御守りだとよく例えるがこの日ほど思ったことはないだろう、その頃丁度彼女の持っていた通信機が音を出したものだから慌てて応答すればパーセプターの声が響く

『エクイタス及びフォートレスがみつかった』
「よかった、こっちも回復したローターストームと行動中、2号機のメンバーとも合流したけど…何かあった?」
『1つはトップスピンが分岐スパークで苦しんでいたことだがツインツイストの様子は?』
「いい男にされたみたい」

パーセプターの言葉にローターストームに抱えられたツインツイストをみれば主にフェイスパーツを弄られた彼はスパークに別状はないようだった、2つ目は?と問いかければG-9の管理部の要員を抜きに起動させるには生のスパークが必要だということ、その言葉に全員が息を飲むそれは誰かの死を与えるということだがリアンは顎に手を当てる、プロールはこれを知っていたからこそアイアンフィストをメンバーに入れたのだ…リアンはその意図を理解しており唇を噛みしめてパーセプターの居場所を確認した、そこまで同じ南館であればそこまで遠くは無い

「そこはまだ持つの?」
『いや、危ういな』
「・・・武器を調達していく、絶対に誰もおかしな判断はしないで」

パーセプターは彼女が何かしらを持っているのを察していた為いがみ合うチームに一喝した、通信を切り終えたリアンは再度スカイスレッドバイクに乗り込み"相棒"を見上げた、ローターストームはリアンを見下ろして優しく微笑む、彼はリアンについてくる気である
ガズルのそばに居たディセプティコンのスネアはインパクターを1度助けた張本人であり、G-9の道なら分かるというためリアンはそれならば着いてきて欲しいと頼む。スネアは二つ返事に了承しオーバーロードの目的を語った
ヤツの目的はただ1つ、メガトロンとの決闘でしかない
その間の暇つぶしにG-9では彼の用意したゲームのみを遊ばされ、彼らは傷付いた、12回連続勝利をした時に与えられる『選択』はオーバーロードと戦うか自決するか…それらに違いなどはないだろうとスネアはいう

「リアンはエクイタスを、残りのメンバーはオーバーロードを追う」

一連の話を聞いたスプリンガーはそう指示するがストーカーが救援要請を出していたのを確認した、もう時期オーバーロードはやってくると
もう時間はないかとリアンはバイクのエンジンを入れて部屋のドアの付近に向かう

「それじゃあ無事で」
「ああリアンも生きて会おう」

リアンはスプリンガーに微笑みそう伝えた、そして奥で彼女を見つめるイエローのオプティックを見つめた

「…ねぇインパクター」
「なんだ」

声をかけたはいいがリアンは言葉を飲み込んだ

「ううん…やっぱり、なんでもない」

戦場だとしても逢えてよかった、どうかオーバーロードと対峙したとしても無事でいて欲しいと願いながら彼女はローターストームもスネアを連れて走り出した

「キスでもしたらいいだろ」
「そうだ、いい感じだった」
「もう!うるさいよ2人とも」

廊下で三人がそう話すのを聞いた面々はインパクターを見つめた、彼は気難しそうな顔をして顔を逸らした
全くもって緊張感がない女だ。



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