8ヶ月前、プロールとの通信にて

「あなたって最低」

リアンがプロールに吐いた台詞だった。それを聞いた彼はきっとリアン以外には分からないがほんの0.03mmほど表情を歪めた
G-9、エクイタス、アイアンフィスト、銃弾、これらを意味するのはひとつだった、エクイタスは看守やその他あれに関わったごく一部の存在のみだけが使えるコードが必要であった、当然それは敵に万が一奪われた時のためであるがコード以外の方法もあるのだといっていた、それについて問いかければスパークを犠牲にすることであった

「君ならコードを知ることが出来る、万が一君が途中で死亡したり…見つけられなければゲームオーバーになる、その為のアイアンフィストだ」

アレは取れないんだろう?と初めから興味もなさげに言うプロールの性質は理解していながらも邪悪にも思えた、利己的で現実主義者で犠牲を厭わない彼の美点だろうが嫌われる原因だ
時間はまだあるコードについて調べることや資料について君は開発者の1人だったのだから分かるだろう。生憎俺は知らないんだ…すまないな。とリアンにだけは申し訳ない表情をした
自分にスパークがあれば喜んでそれを捧げられるのに人間であることを恨みたくなった。通信を切り終えてリアンは煙草にまた火をつけた本当にろくでもないものを作ったものだと感じながら。


現在、エクイタス管理室にて
迫り来るディセプティコンの群れに怯えた彼らは入口を固める中でフォートレスをみつめた看守の認証コードね…とリアンは呟きながら倒れるフォートレスの首元の僅かなレセプタに自分の右腕からコードを伸ばした

「なぁリアン、本当に人間なのかよ」
「失礼ね、ローターストーム 私はれっきとした人間だよ、ちょっとばかり腕を弄っただけのね」

ポヴァの1件後リアンはキミアに戻り大事故を起こした、研究の末腕をなくした彼女は科学者として人の居ない場所では物作りを禁止されてしまったのだ、その日以来腕は完全に人のように見えるが実態は限りなく人体に近い義手である懐かしいことだと思いつつリアンは自身の持っていたエクイタスの情報とフォートレスのエクイタスの情報を一致させ認証コードを入力すればエクイタスは"認証コード確認 リアン 人間 リアン・マラカイト 承認します"と音声を流した
エクイタス・チェンバー内にてパーセプターは切り替わった画面を確認すれば案の定エクイタスはG-9の全ての監視カメラと繋がっていた、ふとリアンが視線を向ければインパクター達が戦闘準備をするのが見える、だがアイアンフィストはその横のモニターのディセプティコン達は?と聞いた
その言葉と同時にドアが攻撃される音が聞こえ、ベリティが叫ぶ

「どこってそこのドアよ!」

リアンはエクイタスのコードを手に取りパーセプターをみつめた

「皆どうかもう少し粘って、パーセプター…頼める?」
「本気か?リアン」
「当然、私はレッカーズだもの」

彼女は腕にエクイタスのコードを自ら差し込む、今から行うことはエクイタスの全データを彼女にダウロードしハードドライブを消去する方法である、腕の回路をリアンは調整して全データが受信できるようにとローターストームに持たせていたバックパックからヘルメットのようなものを取り出しそれを腕のケーブルに繋げる
そしてパーセプターはリアンを見つめローターストームに彼女が暴れてヘルメットを落とさないように抑えつけろと命じたそのデータを送信した

「転送するぞ」
「ッあ"ぁ"ぁ"ぁ"」

痛みに忽ち声を声を上げる彼女を全員が唾を呑み見守るしか無かった、これ以上できることは無いのだと言い聞かせ


「リアン?」

ふとインパクターがその声に反応して顔をあげたがスプリンガーはそれが聞こえなかったのか、数分前のスネアが告げたオーバーロードが向かって来ているという言葉を思い出して呟けばまるでクリスマスのサンタクロースのように彼は派手に壁を壊して登場した
オーバーロードは楽しそうに問いかける

「始めるか?」

「始めよう」

スプリンガーは答えた



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