ドカンだ…とアイアンフィストが呟くと同時にリアンは起爆させた

「ッあ"ぁ"」

彼女のそばに居たローターストームは即座に彼女を護るように手で支えた、エクイタスのデータを右腕に取り込んだ彼女は莫大なデータの痛みに声を上げる。オーバーロードはまだ倒れずアイアンフィストを殴り足を踏みつけるのを眺め彼女のその瞳は燃える怪物を睨みつけローターストームとリアンは最後の攻撃の準備をした

「しぶとい奴だな」
「これで最後よオーバーロード」

「レック&ルール!」

ガチンバチンと変形する音が彼女の左腕から鳴った、それは彼女の身体と同等かそれ以上の大きさに変形していき巨大なレールガンになっていた
リアンの正真正銘最終兵器であった


「なぁ、それって」

エクイタス管理室に向かう際に穴を開けたリアンにローターストームは問いかけた、正直彼女がプリテンダーと言われても納得しそうなほど人間離れをしていた。
ローターストームの声掛けにリアンは苦笑いをして左腕を元に戻して撫でた、元に戻った左腕は右腕と変わらない普通の人間の肉体のようであるからこそ更に理解が出来なかった

「エンジェックスをベースにしたレールガンもどき、エネルギー凝縮してレーザー弾に改造したものだけど」
「いや、そうじゃなくて」
「私一人じゃ守れないから…レッカーズを、あなた達を守れるならヒトじゃなくなってもいい」

そこまでしてレッカーズになぜ執着するんだとローターストームは不思議な顔をした、服を着直した彼女はインパクターがいる、レッカーズが自分を助けてくれた、人生において彼ら以上はいない、その為に自分が犠牲になることなんて苦しくもない。
ポヴァの一件でどうしてあぁなったのか考えた、それは自分が幼く無力な役立たずだったからだ、仲間が死ぬのも同じであると理解した、暗闇の中で泣くのはもう嫌だ、次にインパクターに会う時は強い女になっていなくてはならない彼の罪を背負うために…と彼女は思考を巡らせた、そして観念したように彼女はローターストームに伝えた

「あぁもうローターストームだから勘弁して素直にいう」

インパクターのことを愛してるの。


ローターストームは彼女をみつめながら いけ と呟いた、その電撃はオーバーロードの身体を撃ち抜いた
燃え盛る彼の機体、足を潰され意識を失ったアイアンフィストを心配するベリティが彼を気遣うがオーバーロードはまるで怪物のような出で立ちで彼女に声をかける
リアンは遠く薄れゆく意識の中で幼い娘のように愛らしいベリティを心配したように見つめるためローターストームはオーバーロードに立ち向かう

「邪魔ばかりするな!」
「ローターストーム!」

殆どここまで負傷しつつも動き回ったボロボロのローターストームは表面のパーツが剥がれ内部パーツが丸見えのオーバーロードに弾き飛ばされ動けなくなる、リアンも左腕の負傷から動けなくなりみつめるしかない、オーバーロードはゆっくりとベリティをみつめた

「お嬢ちゃん、人の心配をしてる場合かな…自分を見てみろ、ひよわな骨格に靭帯・・・赤々とした内蔵、なんと柔らかく壊れやすいことか・・・

ギュッと握りしめたらどんな音がするだろうな・・・お前たちのせいで何もかも台無しだ・・・この瞬間にもアイツが現れるかもしれんのだぞ・・・こんな有り様で、どうすればメガトロンを倒せる…」

長く語る彼に顔を顰めたベリティはメガトロンは死んだと告げれば彼ははじめて動揺と絶望を見せる
そしてベリティからリアンに視線を移した彼はゆっくりと近付いていく、ローターストームはもう動けない、ほかの仲間も意識を失っているレールガンはもう限界で他の武器を取り出せるほどの気力は無いとリアンは薄れる意識の中諦めを感じた時オーバーロード機体が跳ねた

「独り相撲だったな、それに・・・相変わらず喋り過ぎだ」

オルトモードのインパクターがオーバーロードを撃ち抜き、そして変形し倒れ込むオーバーロードを殴りつけた、そして近くに落ちていたオーバーロードの鋭利なパーツを掴み見下ろした。リアンはダメだと声を上げたいというのに先程の攻撃の痛みで声が出なかった

怒りに我を失わないで、あの時のように

「置いて…いかない、で」

リアンの呟きは燃え盛るオーバーロードの炎の中に溶けていく、オーバーロードはインパクターに挑発するがインパクターはオーバーロードの顔の横に突き立て見下ろし言い捨てる

「自分のためじゃねぇ…スプリンガーとリアンのためさ」

おもわずリアンは意識を取り戻して彼の言葉をきいた

「20年前独房へと連行される俺に向けて奴はこういった、聞きたくなかった言葉だ」

"奴らは死に値するがだからといって殺す権利はない"
それは監房にいる中でインパクターの頭に響いた言葉だった、スコードロンXに対してあの時あぁするしか無かったと言い続けた、だがしかし連行されるさ中で言われたスプリンガーの言葉は正しかった。
スプリンガーを殺したお前は死に値すると続ける、だがしかしそれを裁くのは自分ではなく法の下で行われるものだと告げた
そして動けぬオーバーロードの機能を停止させ背中を向けたインパクターは呟いた

「そしてアイツは俺にいった」

『ずっと何があっても何年あっても待ってるから、帰ってきて…その時はあなたの罪を私も背負うから、ずっと…ずっと待ってるから』

あんなにキラキラと自分に向いていたキャメルブラウンのガラス玉のような瞳が涙を浮かべ悲しんでいることが忘れられなかった
ただの男と女の言葉がこんなに重たくなるとはなとインパクターは苦笑いをする、奥で倒れるリアンが意識を落として小さく息をしていることに彼は深く安堵する

「護送船を呼ぶ間、見張っててくれ。心配するな、神経クラスターを無効にしたから動けねぇよ」

そういった彼の背中をベリティはみていればインパクターは優しくローターストームのそばで倒れるリアンを愛おしそうに大事なもののように優しく抱き上げて彼女に顔を寄せているのをみて思わずわぁ…と声を零した
それと同時に目覚めたアイアンフィストは何があった?と問いかけた為、ベリティはニヤリと微笑む

「まぁ王子様とお姫様は幸せなキスをしました、おしまいってとこ?」




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