スプリンガーは気乗りしなかった、何に対して?彼女に対して次の任務の説明をすることがだ
オートボットに正式な所属を許されているリアンという名の地球人、スプリンガーからしてみればまるでナノコンとも言えようサイズの彼女だと言うのに気乗りしないにも理由がある、今回の任務が彼女とは深い縁があるからだ勿論スプリンガーにも縁があるもので当初任務の行き先を聞いた時は僅かに顔を顰めてしまいそうだった
どうにかその重たい足取りでとある部屋の前に来た、部屋のネームプレートには"リアン専用ルーム 足元に気をつけて"と記載されている
控えめにノックをして名を呼べば奥から部屋に籠った声が招き入れる

「入るぞ」
「いらっしゃいスプリンガー、ちょっと散らばってるから足元に気をつけてね」

広々とした部屋の割に置かれてるもの等は主にその部屋の住人に合わせて彼らからしてみればミニチュアサイズであった、椅子に座る彼女は細い白い筒状のものを口に咥えて煙に包まれている

「散らかすのはいいが頼むから寝ろよ、俺が怒られるんだからな」
「平気だよ、貴方達と比べたら脆い体だから無理しないようにしてるから安心して、それでなんの用事?また誰かが武器壊したの?それとも整備?新兵器の使用?それとも」
「それだ」

彼の続きの言葉を気になる様子でデスクに向き合っていた彼女は机を蹴ってクルクルと回転イスを回しながら彼に向き直した、それでご注文は?という彼女は地球人でありながらレッカーズ専門の武器整備士である
様々な経緯を経て優秀なキミアの発明家の1人としてオートボットに貢献していた彼女がレッカーズというギャング集団基い正義の集団に属し始めて約二十数年、四十路近い彼女は昔と変わらずに彼らに力を貸してくれる
スプリンガーは電子パッドを持つ手に力を入れ直して世間話をしようかと思うも彼女は何かを察したのか要件を先にと求めた、この会話は彼にとってもリアンにとっても些か複雑な心境にさせるものだった

「次の任務先がG-9に決定した」
「いよいよG-9も落とされたったことか」
「1年前から連絡が途切れているらしくてな、エージェント113の情報では敵味方問わず来るものを拒んでる状態らしい」
「そう・・・ねぇ、スプリンガーちょっと待ってよG-9ってその」

彼女のキャメルブラウンの瞳が大きく見開かれ鮮やかなライムグリーンを見つめた、彼女の言いたいことを理解していたスプリンガーは声に出さずに頷いたのをみて顔色を変え顎に手を置いた彼女はすぐに見上げていう

「私も任務に同行する、プロールに何かを言われても私が直接話をするから・・・メンバーは決まってるの?」
「いや今検討中だ」
「ならよかった定員オーバーにはならないみたいだね」
「俺は許可して・・・」
「ごめんねスプリンガー、仮にオプティマスがダメと言っても私は単独でも行くから、私にG-9の話をしたってことはそういうことって分かってたでしょ」

図星だと言わんばかりのリアンの言葉にスプリンガーは返事が出来なくなる、困らせてしまっていると理解してリアンは苦笑いを浮かべてスプリンガーにごめんなさい。と告げる
彼も理解はしていた彼女がこうなるということを、あの男と彼女はどうしようも無いほどに繋がっていることはレッカーズにとっては当たり前の出来事なのだから
スプリンガーは彼女に任務の詳細データを彼女の電子パッドに送ってやり部屋を出ていく、ふと部屋から出る間際にみれば彼女は電子パッドの内容を見たあと抱き締めて呟いた

「インパクター」

それだけを呟く彼女の言葉の真意とはなにか、様々な感情を合わせた言葉の意味を理解出来ずに彼は廊下を歩く
昔を思い出しながら



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