「目覚めたか」
ふと目覚めれば知らない天井が見えた、意識を覚ますと同時に聞こえた低い機械のような声に目を向ければ椅子に腰かけた白と赤をベースにした彼は溜息のようなものをついた
「いきなり倒れるような奴が他種族のQOLをだって?馬鹿馬鹿しいことをいうんじゃない」
「ごめんなさい、あのさっきいた人ですよね」
「ラチェット、この船の医者をしてる有機生命体向けの道具や薬は無いから身体には気を付けてくれ」
初めて出会った相手がパーセプターだった故かラチェットと名乗った彼は酷く冷たいようにもみえたがそれが普通の反応かとも彼女はおもいつつも攻撃がないだけマシだと感じた
ふとベッドから降りようと思ったが数mは地上から離れておりどうしたものかと思えばラチェットは椅子を動かして近付いた
「目覚めたなら一通りの検査をさせてもらうぞ」
確かに宇宙にいるだけで通常とは異なるほどの数の病気と出会う、有機生命体では無害なものも彼らには有害であるということも当然ある為彼の判断は当たり前のことでありアイリスも黙って従った
「ところでこの羽は飾りなのか?」
「いえ、ちゃんと飛ぶことは出来ますが生憎私のは小さいんです」
「なるほど、成長に合わせて大きくなるということか」
「んー、まぁそんなところですかね、ところで私のカバンってありますか?」
「そこだ」
「ご飯食べながらでもよろしいでしょうか」
「お好きに」
ラチェットに次々とセンサーを通されたり器具をつけられたりしながらもアイリスもまた自由に行動をして特に傷一つもないアタッシュケースの中から携帯食料を取りだして胃の中に放り込んでいく
1時間ほど検査をみっちりとしたラチェットは今日はここまで、船にいる間は定期検診に来るようにというものだからアイリスは素直に頷いた、居候の身ではある為極力指示には従うのがいいと判断したからだ、特に医者の意見は
「あぁそれとアイリス、お前さんはなにか食べられるもので好きな物はあるか?」
「甘いものと高カロリーなものですね」
「・・・次回からは用意しておこう、それじゃあ気をつけて」
なんだ悪い人じゃないのかと思ってアイリスはラチェットの手で床に下ろされる、これから暫くは彼にも世話になるだろうなと考えればアタッシュケースから電子パッドを出して彼らの生態や業績情報等を確認しながら勉学に励んだ
「ようやく起きたか寝坊助、オレが殺したのかと思って焦ったんだぜ」
「すみません、ちょっと貧血で」
「部屋はパーセプターの横にしておいたから困ったことがあるならアイツに言ってくれ、勿論オレでもいいけどな」
「ありがとうございます、ところでこの船は何処に行くんですか」
そう問いかければ彼は待ってましたといわんばかりに機械生命体のその眼を輝かせてアイリスを勢いよく持ち上げた、ナイツオブサイバートロンを探す旅をしているんだとまるで子供の御伽噺を話すように説明したロディマスに冒険記や御伽噺が好きなアイリスは目を輝かせた
「凄い、そんなのが見つかったら世紀の大発見ですよ」
「だろ?オレたちのことを馬鹿だとか夢見がちだとかいう連中もいるがそうじゃない、この旅はサイバートロニアンを助けるための旅なんだ」
語るロディマスの表情は真面目で仲間のことを心底思っているからこそ出てくる台詞なのだろう、アイリスははじめこそ彼を子供っぽく苦手だと思っていたが少しだけ考えを改めた
「だから尻尾を摘むのやめてくれませんか」
「悪いって気になるんだよ」
全くもうレディの扱いがなっていないなと思いつつアイリスはロディマスの手から開放される、地球も悪くなかったが彼らも話をすれば悪い人じゃないなと感じて大きな廊下を数歩歩き出したところで彼女はまた勢いよく倒れた
「おいアイリス?!ラチェットすぐ来てくれアイリスが」
さっき部屋から出たばっかりだろうと言いたげなラチェットの顔にアイリスは思わず顔を背けた、アタッシュケースの中の携帯食料を食べればラチェットに今日は一日この部屋にいなさいと命じられる
普段であれば医務室は患者が数名いるが今日は随分と静かで誰も来ていないことが彼にとっても有難いものである、仕方ないと部屋にいることに決めたアイリスはデータパッドの中の自分のデータを開いた、最後に"仕事"をしたのは約半年以上前それもほんの僅かな仕事であった為に溜息をこぼす、アタッシュケースの中には食料をこれでもかというほど詰め込んでいるがこれもいつ尽きてしまうかわからない、前途多難とはこの事かと思わず考えてしまう
それからロストライト号に来て一週間ほど経過したがアイリスは見知らぬ天井から見知った天井に変わったソレを見ながらいつも通り目を覚ました
相変わらず椅子に座っては気難しい顔をしていたラチェットはアイリスが目覚めるや否やようやくかと言わんばかりの顔をした、アイリスも慣れたように起き上がり彼女特製の椅子に座って毎度恒例の検査を受ける
「異常はないようだがどうしてこうもまぁ倒れるんだ?見た限り食事は足りているようだし」
独り言を呟きながら問題に没頭する彼にアイリスは自分がどうしてこうなっているのかを理解していた、これ以上彼らを心配させるわけにもいかないがそれ以上の大きな問題が発生することも分かっていた
「私はお前が心配だよ」
心底心配そうな顔をしたラチェットに罪悪感という重しが背中に乗せられた気がしてしまい背中が丸くなってしまう、それをみたラチェットはアイリスの姿勢を整えてやりここ最近の検査データをみつめる
「なぁアイリス、本当にそれは貧血なのか?数値に異常はないしあったとしても異常でな」
「それは・・・」
そりゃあそうだ貧血なんかじゃない、例えやすいからそういっただけで真実は全く異なる、データパッドを渡して内容を見てもらい"仕事"をこなせたら楽なことは無いがアイリスは羞恥心が邪魔をして上手く出来なかった
隣人のパーセプターも毎日酷く心配をしているのを知っているためアイリスは彼の顔を思い出してはこれ以上はもう無理かもしれないと観念した
「あのラチェット先生」
「なんだ?」
「お医者さんには守秘義務があると思いますがあなた方にもそれは反映されますか?」
「当然だ」
本当に?と念押しに聞くアイリスに余程聞かれたくないことなのかとラチェットは察してもう一度変わることない返事をした、アイリスは酷く困った表情を浮かべながらアタッシュケースからいつも持ち歩く電子パッドを取り出した
「データを送るのでそちらを参考に読んで貰えますか?私の病状について記載されています、それを判断した上で"検査"や"診断"を下してください」
いま面と向かってこれをみて何かを伝えられるのは困るとアイリスは思って慌てて部屋から飛び出した、このまま今日は1日活動が出来ればいいと思って
そんな彼女の願いは聞き届けられたのかその日は久方振りに一日を通常通り過ごすことが出来た、翌日ラチェットから呼び出しをされパーセプターにはまた調子が良くないのかと心配されたものの大丈夫だが念の為だと伝えアイリスは深呼吸をして医務室のドアを叩けば短い返事が返され部屋に入る
「よく来てくれた、よし話をするからそっちに座ってくれ」
彼はサイバートロニアンサイズの電子パッドを片手にアイリスをいつもの診察台の上に置いて向かい側に椅子に腰かけた
そして普段よりも眉間に皺を寄せて彼は口を開く
「なんともまぁ難儀な体質をしているんだな」
「そうですね、私もそう思います」
「普通の食事では非効率過ぎると」
「仰る通りです、サプリ等もありますが結局毎日飲まなきゃいけない割に副作用が酷いんですよね」
ラチェットは指先でアイリスの、正確には彼女の種族サキュバスについての説明書を読んだ
曰く彼女たちの言う"仕事"とは相手の性を解消することであり、そこから相手の生活の質を向上させるというものであった、サキュバスからしてみればその性のパワーが食事になり生活や生命の維持ができるということであった
「それでお前さんは"仕事"が上手く出来ないから羽も角も小さいということなのか」
納得したような彼の顔にアイリスは残念そうに渋々と頷いた、仕事を上手くこなせる上にいい食事が出来ているサキュバスは皆羽も角も大きい、さらに言えば服の露出が減るためアイリスはそれを非常に羨ましがっていた
相手を誘惑するためとはいえほとんど下着まがいのこの服に彼らはツッコむことはなかったがアイリスは毎度恥ずかしくてたまらなかった
「だから私が倒れるのはまぁ単純に栄養や食事不足なだけなんです」
そういうとタイミングよく彼女の腹部が元気よく音を立てるものだからアイリスは恥ずかしくなり顔を俯かせた、ラチェットはタイミングの良さに苦笑いを浮かべつつも彼女をこのまま放置するわけにもいかないこと、また彼等の機体は彼女のいう食事を提供出来るものでもあった
「アイリス、お前がこれをいうことにとても勇気が必要だったことは理解している、私も医者だからこそ患者を助けたいと思う反面こういった事を同意等無く行うのもどうかと思う、だからこそ聞くんだが私が提供するとしたらどうする」
彼の言葉にアイリスは思わず顔を上げる、ラチェットの目は決して欲に満ちたものではなくあくまで患者を助けるためだった
アイリスからしてみれば彼の提案を断るということは無いだろう、反対に泣いて頭を下げて頼みたいほどであった、誰にもいえぬ事を打ち明けた時受け入れられないと思っていたのだからまさに天からの言葉のようだろう
「お願いしますラチェット先生」
とはいえ2人の体格差は歴然である
サキュバスには厄介な性質がいくつかあるがそのうちの一つに互いが同意し気持ちが共にならねばしっかりとした栄養にならないのだという、その為に挿入することが何より早くあるがラチェットは流石に自分の手の中に抱ける人形サイズの彼女にそれを強いる勇気はなかった、またいくら悪魔といえど心より愛したものと繋がり合う方がいいだろうともサキュバス達からしてみれば古風な考えを彼はしており、充電スラブの上で唸るラチェットにアイリスは声を上げる
「あの、別に挿入だけが全てじゃないですから、気持ちが大事ですからペッティングといいますか、その・・・口とかだけでも」
彼女の肌が赤く染るのをみてラチェットはあぁそうかと納得する、ラチェットが戸惑っていればアイリスは腹を括るしかないと思った、決して彼も経験がない訳では無いだろうが種族差や体格差のある行為などは初めてでありアイリスを極力傷つけたくはないと思っているのが見て取れた
座学だけは満点を取れていたアイリスはその知識と過去の経験を活かして立ち上がり、それでもまだ少し距離のあるラチェットにキスをして欲しいと強請った
金属の唇というのは不思議な感触だとアイリスは唇を押し付けながら思った、ラチェットはなんともいえぬ緊張感のある表情をしておりやはりこういう事に抵抗感が少なからずあるのだろうと察して申し訳なさを感じた
「やっぱりやめましょうか、治療の一環とはいえ好きじゃない人とこういうのよくないですよね」
アイリスは自身の生命よりもラチェットのことを思い身を離した、そして終わろうとすれば反対にラチェットの手がアイリスに伸びた
「いやすまない、余計なことを考えてしまってただけだ命に関わることなんだからするぞ」
「でも・・・ん」
これ以上彼女に何も言わせないというように彼は唇を押し付けた、何度も啄むように送られるのがくすぐったくアイリスも同じように返していく、互いの視線が交わった時完全にスイッチとやらは入る
ラチェットの手はアイリスの剥き出しの腹を撫でる、それだけで身を攀じるアイリスは早く欲しいと思いながらラチェットの手に自分の手を重ねた
「先生ほしいです」
その言葉にハッとしたラチェットはあぁそうだあくまで彼女には食事の提供だけだと思い出し充電スラブの上に彼女を置いて自身のコネクタハッチのコードを入力し開けばアイリスの体の半分ほどありそうなソレが現れる
主に人間を相手にしていたが学生時代には授業の一環で様々な性器をみてきたアイリスでも機械生命体である彼らのものを見るのは初めてであった、重々しく形こそは一般的な男性器に似てはいるが明らかに異なるものであった
「そんなにみないでくれ」
「すみません、ええと触っても?」
「あぁ手柔らかにな」
とはいえラチェットの大きなコネクタに触れてもアイリスの手では小さな刺激にしかならないだろうなと思った、彼の機体とは異なる熱を持ったコネクタに優しく触れればソレはぴくりと反応を示す
扱くと言うよりも撫でるということしか出来ない大きな赤いコネクタはアイリスの手の動きに合わせてゆっくりと反り立っていく
「大きいですね」
「やめてくれ恥ずかしいだろ」
「機械生命体の方のものってはじめてだから、つい・・・」
「そ、そうか」
ラチェットの右横にいるアイリスは巨大なソレを刺激していけば先端からは薄ピンク色の透明なオイルが出るのが分かり慌てて口に含む、ただのオイルであってもサキュバスの肉体であれば栄養に変わる為に久方ぶりの食事だと感じて慌てて先端をぺろぺろとミルクを飲む猫のように舐める
「はぁっ、なかなか上手いじゃないか」
「本当ですか?よかった」
「そこっもう少し強く扱いてくれ」
「ええと、はい・・・痛くないでしょうか」
「アァっ、いい調子だ気持ちいいよ」
言われた通りに亀頭の付け根部分を強めに扱くと素直にそれはダラダラとオイルが出てくるために零さないように尿道とも取れそうな小さなコネクタの穴に口で蓋をする、もっとと欲する彼女はまるで蜜を求める生き物のようでラチェットは愛らしい健気なアイリスの頭を撫でてやる
そうすれば必死に奉仕していた彼女は目線だけをラチェットに向けて嬉しそうに微笑むものだからなんとも言えぬ感情が彼のスパークに駆け巡る
アイリスの露出された肌も彼の興奮材料になり本当ならば今すぐ彼女を押し倒してその小さな肉体を暴いてやりたいと思ってしまうもののそれをギリギリ残った理性で押し殺した
「ンッラチェット、おいしい♡」
「あ、あまりそういうことは言わんでくれ」
「いやですか?」
「そっそうじゃないが」
「本当に美味しいんですもん、もっと・・・もっとほしい♡」
甘い香りがラチェットの嗅覚センサーに触れる、これはサキュバス特有の催淫フェロモンだと説明に書いていたことを思い出しては中々にクるものだなと内心焦りさえ覚える
ラチェットが理性をなくして抱けばきっと彼女はあっという間にその命を終わらせてしまうだろうに彼女の頭にはそんな危険など微塵もないのか夢中に手を動かし溢れるオイルに夢中になっていた
「はぁアイリスいいぞ、上手じゃないか」
「嬉しいです♡もっと頑張ります♡」
「無理のない範囲で、頼む・・・っ」
ふとアイリスがラチェットの根元を両手で扱けば彼は苦しそうな声を上げた、その苦悩の表情と反応にあぁここが弱点なのかと察したアイリスは早速そこを重点的にいじめることに決めた
数ヶ月ぶりの食事はたまらないものだった、いくら携帯食料やエネルギー食を摂取しても満たされないものが満たされていく、これは食事には無い性エネルギーのせいである、それ故にアイリスは夢中になってラチェットを求めてしまい下腹部に熱が篭もる感覚を久方ぶりに感じた
彼女を見下ろすラチェットのオプティックもまた情欲に塗れており、2人して1つボタンを掛け違えれば今すぐに夢中で互いの身体を求めたことだろう、だがしかし2人のなけなしの理性がそれを止める
「アイリス・・・ッそろそろ」
「射精ちゃいそうですか?」
「あぁッ悪い」
呼吸を荒くしたラチェットがアイリスの手の上から自身の手を重ねてコネクタを強く扱く、普段から真面目な医者として自分を見ていた彼がただ今は夢中で自分のモノを扱いているのをみてアイリスは少なからず興奮した、ラチェットという男の皮を1枚剥いだ気分である
「射精すぞ、飲んでくれアイリス」
「んっ、お願いします」
口を大きく開ける彼女にラチェットはコネクタを向ければ勢いよくオイルが噴射されてアイリスの全身は蛍光に近い薄ピンクのオイル濡れになる、ラチェットとて久方振りの射精に多く出過ぎたと思いながら見下ろせばアイリスは嬉しそうに手の中のものや顔についたものを舐めたり飲んだりしていく、ふと彼女のへその下辺りには薄いピンクの紋章が浮かび上がり光っていた
「それは」
「あっ、ちゃんと性エネルギーを食べれてるって感じのマークですね」
「そうか・・・すまない、気持ち悪いだろう」
「ベタベタしますけどとっても美味しいです、上質なエネルギーの味がしますよ、さすがお医者様」
喜んでいいのか分からない上にただのオイル故に味なんてそんなに変わるものなのか?と思いつつも満足そうにするアイリスをみてラチェットは小さく笑みを零しながら彼女の傍に小さなタオルを置いた
「食事がいるならいつでも声をかけてくれ、この程度でいいなら付き合おう」
「ありがとうございます先生、ちなみに後でお風呂お借りしても?」
「あっ」
しまったなとラチェットは思った、風呂場は彼女の部屋しかない上に船での生活故に一日1回程度しか許可されていないことを思い出す、どうやってバレぬように連れていくかと考えていれば萎えたコネクタに触れたアイリスが 残ってるのもったいないのでお掃除代わりに宜しいですか? の聞くものだからラチェットは彼女を抱きたい気分を押し殺して許可をした
いつか彼女を抱いてしまいそうな気がすると彼は思いながらどうにかその理性と戦い続けた