佐藤
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※内容的には社長暗殺のとこ辺り(?)
永井圭は年の割に冷静な判断をする少年だった、信長夕日にとって永井圭は嫌な奴という印象だった
同い年でありながら国内3例目だと言われる亜人、極秘に隠されて続け何十年も研究をされた夕日と、大きく報道され10日ばかりの研究をされた永井圭
佐藤は永井圭を気に入った、まともなフリをする常識を持ったふりをする自分でも理解していないであろう異常者だからだ
深いため息をついて目の前に立つ永井圭を見た、自分のように濃いIBMを放出していた
「なぁんだ、いたんじゃん」
「…誰だよ」
「ンなことどうでもいいでしょ」
ゴタゴタと話をするのは得意じゃない、見た目に反して口下手なのだ
胸に入れていた佐藤から渡されていたハンドガンを慣れた手つきで撃った、綺麗にそれは永井圭の体内を通過し赤い血を流した、隣にいる歳の近いであろう少年は吠えていた
「マジうるさいんですけど、あたしさぁ…今日イラついてるんだよね生理じゃないけど…わかる?」
「わかるかよ、あんたも佐藤の仲間なのか」
「あのさぁ?年上にはさん付けした方がいいと思うんだけど」
苛立ちが止まらない、永井圭の仕草や声、話し方睨みつけるような瞳、全てが気に入らないでいた
大きなため息をつく前に相手の出しているIBMを止めるためには自分も出すしかないのだと嫌々ながら何十体も現れる
脳内を支配する大量のテレビ画面のようなモノ、永井圭を見つめては嫌悪と憎悪に踏み潰される
此奴だけは殺さなければならないと、捕まえて肉を細切れにして、解剖して、喰らい尽くして、2度と生きたいと願わないように
「っ多すぎだろ、一旦逃げるぞ!」
「逃げるったってこんなにいるんだぞ!」
「逃げりゃあいいんじゃん、あたし許さないから絶対無理だから佐藤さんがあんたのこと気に入るとかありえないし?」
ありえない、有り得て欲しくない
特別なものは自分だけでいいと子供のわがままのように泣いた、永井圭の逃げ惑う姿を追いかけていくのをみつめては1匹のIBMが夕日をみた
「マ・・・マ?」
「どうしてあたしをそう呼ぶんだよ!!!」
目を丸くした永井圭は女を見た、焼いた肌に長いネイルアイロンで巻いた髪に派手な色、原宿などでよく見かけるファッションに、走りにくそうなヒール
怖がるように身体を抑えて自分自身の操作するハズのIBMが彼女を見つめて何度も言葉を繰り返す
震える彼女を見て永井圭は今が逃げるチャンスだと足を進めようとした矢先、本命の男は女の肩を抱いて現れた
まるでその男を見た時彼女は世界の希望を見つけたようだったのが鮮明だった
「帰ってる」
「おはよう夕日くん」
そういった初老の男はいつも通りの笑みが消えていた、何かを言いたそうにしているが何を言うわけもなくみつめるのを下からみる
「君のIBMは母親を強く求めているね」
「それさぁ、あたしのこと怒らせたいの?それとも苛立たせたいの?」
「悪気はないさ」
「…じゃあさ、やめてくんない?まじへこむ」
起き上がった体は素直にいうことを聞き戦闘での疲れも消えていた、リセットしてから一切記憶がなかったのあのまま麻酔をやられたからだろうか
何時間、いや、何日か経ったのだろうか
アジトの場所も見慣れない、あれだけ派手に暴れたのだ佐藤も来たということは静かに過ごす時間も消えたのだと理解していた
母親を求めるのは幼い自分と、彼女が殺した子供だ
亜人とわかった途端に人間は目の色を変えた、基本的に日本で捕まえた亜人は男だった、無理矢理に孕まされ子を産む実験をさせられた時も勿論あった
だが子供助けたかった、人体実験として殺されるならばいっそと思えまだ産まれて何時間も経たないうちにIBMは赤子を殺した、それも喰らい殺した
「ねぇ佐藤さんあたし女でよかったって出会えた時思ったんだけどさ、怖いよ…また捕まってあたし殺されて孕まされて殺されて、それならいっそ人間がよかった」
「時折君は弱い生き物に変わる、それは悪いことじゃない」
ベッドに腰掛けていた夕日を佐藤はみつめる、口元は弧を描いていつも通りの胡散臭い笑顔が張り付いた
亜人という生き物になってから人生は深く変わったのだろう、特に永井圭といったあの人物は
夕日からしてみれば4歳の時点であぁなっていたのだ、世界はこうあるものなのだとも思えた、人間はどこまでも外道で非道で冷たく躊躇しない
「だがね、私といるんだ君は他の奴らに殺されることなど許すわけがない」
心臓の上をゆっくり撫でて、腰に挿していたナイフを腹に差し込んだ佐藤をみつめた
白いシーツが真っ赤に染まり、ボタボタと口からも流れ落ちる
薄い唇が重ねられ低い体温が伝わる、苦しさと幸せが降り混ざったように何度も混ざり合う、データで沢山のパソコンのようにエラーが起きて止まらずに必死に生きたいと願う彼女が佐藤の背中に必死に力を込めて握った
「そう、それでいい、君は生きるんだ亜人として、母親として女として…生きながら死に続けるんだ、それこそが生きる意味だよ」
そういい骨ばった彼の細い手のひらが頭を撫でた
薄れていく意識の中で佐藤は優しく笑った
それだけがこの世の何よりもの救いに思えてしまえた。
「…起きたか?」
「田中くんじゃん」
えらく血の匂いの濃い部屋だと思いきや、床の血をモップと水で拭きあげていく田中と高橋とゲンがいた
ベッドの布団とシーツは変えられて真っ白に戻り、サイドテーブルには買ってきたのかサンドイッチとジュースが置いてある
パック詰めされたサンドイッチを口に含めば慣れた味がする、酷くかわいた喉がジュースにより潤う
生きるというものは大変難しい、今亜人として自分は生きてるのか死んでるのかさえわかりもしなかったのだから
「佐藤さんどこいったの?」
「買い出しじゃないか」
「あぁそう…ねぇ田中くん」
「なんだよ」
「リセットしてくんない?」
「はぁ?」
そう言いながら彼は所持していたらしい銃口を向けた
掃除が増えたじゃないかと呆れる声が聞こえながらまた眠りにつくのだった
この世の終わりを待つために
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ボツネタだけど一応(消すかも)
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