林田恵
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身長差も体格差も大きかった
身長差約50cmなんてものは普段見かけないだろうが本当な話だ
「恵くん」
そう名前を呼んできてもその声も小さい、まるで小動物のようにいつもビクビクとして、か弱そうなその恋人が愛おしかった。
出会いなんて単純でお弁当屋の常連と店員という関係、いつも何十個も買っていく彼女にパートのおばさんにある日「送ってやりな」と言われ送ったのがきっかけだ
女らしく話をするのが好きだった、最初こそ怖がられたが何度もそうするうちに怖がられることなど一切亡くなった
「あの、はっ林田くんが好きです!!」
真っ赤な顔をしてバイト終わりに待っていた彼女の鼻の先は冷えて真っ赤で、頬や首元まで熱を持って赤くなっていた
手を出してみれば??を浮かべて首をかしげて手を置かれた
「…よろしく」
「え、あっ、よっ!よろしくお願いします!!」
なんとなくOKを出したのは正直にその子が好きで目が離せなかったからだ
黒咲工業の普通科に通ってると言った彼女に正直心配はしたものの特に女に絡んでくるような連中もいないと言われていて、林田恵ことリンダマンが女を連れてるなんて噂も全く広がることは無かった
高校1年の出会いで、交際をして約3年
触れることはあってもプラトニックな関係であった、それは恵が彼女を心配したからだ
190cmほどの恵と145cmもない彼女の翔、手を繋ぐ姿も後ろから見れば子供と大人だった
互いに不満は全くといって無い、学校帰りの翔は恵の弁当屋によってバイト終わりは二人でスーパーに買い物をして夕食を食べて翔の家まで恵は送ってやりまた次の日。
それを繰り返している、彼女の両親はそこまで真面目な恵を自分の子同様愛している優しい両親であった
「恵くん、顔切れてるよ」
「…わりぃ」
「恵くん最近学校楽しいんだね」
「そうか?別に…うるせぇ猿がいるけどな」
「へぇ、1回見たいなぁ」
「やめとけ、お前なんかに会うと食われちまうぞ」
なんて笑った恵は翔の髪を撫でる
普段静かなのは話す相手が極端に少ないからで、決して無口というわけでもない
年相応の高校生であり、心優しい人だった、だが違った噂は広がり続けて周りは彼を一人にしてしまったことを翔は心苦しく悲しく思っているのだ
恵は1人ではないといっていつもそばにいてくれる彼女を心から愛している
「卒業したら旅に出る気だ」
「恵くんがしたいことに私は否定しないよ」
二人だけの部屋で満腹になった二人はテレビを流しながら話をする、三年生はあっという間に進んでしまう
翔は特に将来を決めているわけでもなく、このまま就職か進学か…などと考えてはいた
「来るか?」
遠距離でいつ電話もかけれるかわからない、きっと離れても気持ちは変わることはない
それでも行けるなら二人で行きたいと願っている
小さな手を握れば彼女は微笑んだ、そっと恵のくせの強いフワフワの髪の毛を撫でる
「……いい?」
「出来るなら、もっとお前といたい」
「恵くんと私も行きたい、いろんな景色見ていろんな場所いって」
まだ見えぬ未来を語って彼女は幸せに笑う、たった一人にこの人生は色をつけ始めたと思った
過去のことは変えれず、例え自分のせいでないと言われても心はやはり自分を責める
夢を見る日は多かった、だがその度に電話がかかってきて「夜にごめんね」と言いながら話をしてくる彼女にはなんでもお見通しな気がした
「翔」
「なぁに恵くん」
「愛してくれてありがとう」
言っても足りないほど、起き上がって小さな唇にキスをした何度も髪の毛をなでて、何度も抱きしめる度に愛おしさがさらに増していく
言葉に出せば彼女はまた幸せそうな顔して微笑んだ
「私も、愛してくれてありがとう恵くん」
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