ヒソカ
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不思議と痛みは左程なくただ下腹部からの重たさに顔を顰めた、それはよく覚えており女性ならば全員味わうものなのだと知った時には女などいやだと思えた
そう思いつつも現れた赤くなったシーツにため息をついた、天空闘技場にきて以来百階以上に来て個室が充てられたことは大変女としても助かるものであった、ずっとゴン・キルアと三人で行動をしてはいたものの、男女間はあまり感じないとはいえ、やはり身体の違いは出てしまう、そのため毎度血の匂いが濃くなるその時だけは二人も少しだけ気を遣う時もあるのがどうもいえなかった
寝起きの頭で面倒だと思いつつも、体を起き上がらさせ鞄の中を漁りポーチを出し、中身を見てため息をつく
「...はぁ...どうしよ」
中身は空っぽに残されているカモフラージュとしてのハンカチとティッシュだけが残されているだけだった、重たい腰がもっと重たくなる気持ちがしつつもどうしようもなくなる、ともかく自分の衣類をこれ以上穢してはならないと考え衣類を全て脱ぎ去りシャワーを浴びながら、部屋の中にもないのかと探しまた深いため息をつく
ズボンに足を通して、新たな下着に布を敷いてともかく必需品を買わねばならないかと考え簡単な荷物だけを持ち影の中に潜めて部屋を出た
「あれ?リーリェどうしたの」
「えっと...なくなっちゃったから..」
「なにが?」
「だから..その」
「わかったから行って来いよ、つかゴンお前そんなこと聞くなよな」
出た途端にちょうど何処かに行こうとしたゴンにつかまり思わず話を聞かれても彼の天然交じりのそれに対して思わず口を窄める、助け船とばかりにやってきたキルアに安心しつつも、なんとか切り抜けてエレベーターを降りる、あいにく栄えた街である故狙いの物はすぐに見つかることだろう、そうすれば空いた時間に街を探索することも可能である
なんてことを思いつつも栄えた街の中で子供だろうと声を掛けてくるものは多い、それでも先に優先すべきものを考えて急ぎ足で向かわせる
薬もあるとはいうが、副作用の事を考えればそれは考えから消え失せる、そう思いつつもそれは見つからずに一時間ほどが過ぎた頃だろうか、人波の中ではっきりと腕が捕まれ引き寄せられる
「っ誰!」
思わず攻撃を仕掛けそうになった途端にもう片手を取られ、抱きしめられるような形で何かに捕まれるが姿を見ればすぐいやでもわかる、派手な見た目に怪しい表情はここでは一人だろう、というよりも一人でなければ困るほどだ
ともかくこの怪しい人物をどうにかせねばならないと思い、離れるようにその掴んでいる手に力を籠める
「奇遇だね」
「こんにちは、ヒソカ私急がなきゃいけないから離して」
今この男を相手にしていても体の怠さは消えないのだからどうにかせねばならない..考えたが腕は簡単に離れたと思ったが、手を見つめた
「ねぇ、離して」
「そんな冷たいことをいうなよ」
「私用事があるの」
「あぁ、わかるよ」
そういっていればヒソカの目は楽しそうに細めてきては足に触れた途端顔色を変えて思わずヒソカの顔を蹴りそうになるばかり、それでなくても様々な意味で危険な男であることをよく理解しているため逃げねばとまるで小動物がターゲットにされ逃げる時の気持ちのように思えた
「女になっているんだろう」
その声に思わず身の毛がよだつ、どうせ隠しても意味のないことであるのは目に見えてわかるがそれでも実質言われてはいい気分ではない
デリカシーというものを今更このような男に問うても仕方がないことばかりだ、そんなことでこのピエロに時間を割いても仕方がなく、下腹部の重みや気分の悪さに近くの段に腰を下ろした
「そういうとこ嫌い」
手を見つめればヒソカのバンジーガムのせいでしっかりと繋がれた手、繋がれた..というよりもまるで磁石のようにくっついたそれに睨むばかり
それでも楽しそうに笑うピエロにあきらめたようにいう
「...お店、しらない?」
「知っているとも」
当たり前だというように笑う彼に内心、なぜこいつにしか今は頼れないのだろうかと思いつつも、そこは血のぬめりが気持ち悪いものであった
歩いて数分ですぐ見つけたそこで買ったそれをすぐに近場の手洗い場に入ろうとした時だが足が止まる
「ねぇこれ、伸ばすか...外すかして」
「どうして?こっちのそのほうが、楽しいだろう?」
「楽しくなんてないし離して」
いらだつことさえもソレのせいにして苛立ちは募るばかり、一日目とはいえ出血量が多く溢れそうなほどのそれを一刻も早く片したいものだ
だがどうもそれは許されないらしくこの男は楽しそうに困らすばかりだ
「どうしようかなぁ」
「いい加減にして」
そう強くいえばヒソカは笑ったままだが手は離される、思わずそんな素直な姿に目を丸くして持っていたそれを確認し、走るようにはいっていき終わらせるときにはピエロはそこにおらずに、ただ衣類と一つのトランプカードが残されていた
「...ほんっと..悪趣味」
そう悪態ついたその言葉さえきっと聞こえているのだろうとなんとなく予想してまたあの高い部屋に戻る
たったの数時間程度の外出に疲れに身をやられ深いため息とともに目を閉じる
あぁ女になるなんてなんとも憎らしいものだ。
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